一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連大学高等研究所セミナー:Globalization, Trade and Development in Asia: Emerging Issues
Globalization, Trade and Development in Asia: Emerging Issues
2009年4月13日(月)、2:30〜4:15 pm、UNU-IAS(横浜)
プログラム
2:30〜2:35 pm 開会挨拶:スニータ スブラマニアン(UNU-IASリサーチアソシエイト)
2:35〜3:00 pm プレゼンテーション1: Trade in Financial Service in Developing Countries
モハマド マスドゥール ラハマン(UNU-IAS博士修了研究員)
3:00〜3:15 pm 質疑応答及び討議
3:15〜3:45 pm プレゼンテーション2: Inclusive Growth and Trade Facilitation
Prabir De(アジア開発銀行 (ADB) Institute Visiting Researcher)
3:45〜4:15 pm 質疑応答及び討議
プレゼンテーション1
Trade in Financial Service in Developing Countries:
A Case Study of Bangladesh Financial Sector
概要
現代経済は、金融業界がうまく機能することに依存しています。競争と外国資本の参入は効率を高め、技術の移転を促進し、国内企業に資本を注入することができます。しかし、外国の銀行が増えることは、特に開発途上国において、必ずしも信用供給能力が高まることを意味するわけではありません。このプレゼンテーションは、固定為替から変動為替相場制への移行など大幅な量的規制の廃止を含め、1990年代に包括的金融サービス貿易改革を開始したバングラデシュの事例を紹介します。バングラデシュでは開発のための財源が欠如していることを受けて、一般的に、外国銀行がバンキングサービスを積極的に供給することが推奨されています。最小国内資本要件なしに、バングラデシュ銀行から支店開設の許可を得ることができます。証券市場では、非居住者はバングラデシュで債券を発行することができません。バングラデシュはサービスの貿易に関する一般協定(GATS)に従った金融部門の約束へのコミットを行わなかったにも関わらず、非常に急速な金融の自由化が行われています。どの約束へのコミットも、10年かけて段階的に実施することができます。このプレゼンテーションで提案するように、金融自由化の現状を考慮してバングラデシュはGATSのコミットを行うべきです。バングラデシュが約束へのコミットを行わないことは、世界の市場に向けて誤ったシグナルを発し、海外直接投資の流れを止めてしまう可能性があります。
講演者のプロフィール
モハマド マスドゥール ラハマン博士:UNU-IAS持続可能な開発のガバナンスプログラムのJSPS-UNUポストドクトラルフェロー。特に多国間貿易と金融サービス、市場競争力、金融・貿易モデリングなど、持続可能な開発と貿易を主な研究テーマとしています。バングラデシュ農業大学から学士号 と修士号(農業経済)を取得し、中国政府奨学金(CSC)を受けて厦門大学からファイナンスの博士号を取得。世界貿易機関(WTO)、Centre for Policy Dialogue(CPD)、サウスイースト大学(バングラデシュ)など、数多くの大学及び組織で働いてきました。2007年に高等研究所に入所する前は、浙江林学院(中国)の経済・管理学院で助教授を務めていました。
プレゼンテーション2
Inclusive Growth and Trade Facilitation: Insights from South Asia
概要
近年、南アジアの経済は、世界の平均を大幅に超える成長率を記録しました。国際貿易が重要な役割を果たしたこの成長の加速によって、南アジアの諸経済が人間の開発においてすばらしい前進を遂げることができました。しかし、南アジア地域は1日の収入が1ドルしかない世界の貧困人口のうちの47パーセントを抱えています。その多数が、後発開発途上国(LDC)及び南アジアの国々の国境地帯に住む人々です。明らかに、国境地帯の人々と南アジア内陸国は、貿易主導のグローバル化への適切なアクセスの欠如によって最も大きな影響を受けています。本プレゼンテーションで紹介される主要な研究成果の1つは、南アジアの貧しい人々の福祉が、貧困層の密度が比較的高い国境地帯での貿易に大きく依存していることです。国境での貿易は内陸部を含む地域経済に恩恵を与えています。このセミナーでは、南アジアの貿易促進と貧困削減をもたらす成長(pro-poor growth)に関する新たな課題について議論します。この課題の多くが、他のアジアの開発途上準地域にも関連しています。
講演者のプロフィール
Prabir De博士アジア開発銀行(ADB)Institute Visiting Researcher。Research and Information System for Developing Countries(RIS)(ニューデリー)のフェロー(准教授)、そしてSageが発行するSouth Asia Economic Journal編集長。以前、Korea Institute of International Economic Policy(KIEP)(ソウル)の客員研究員でした。UNESCAPの貿易投資部門を含む、複数の多国間開発組織のために、独立研究を行いました。経済パートナーシップと自由貿易協定のためのインド-日本、インド-韓国、インド-中国の共同研究グループのリソースパーソンを務めました。カルカッタ大学から経済修士号、ジャダヴプール大学(カルカッタ)から経済額の博士号を取得。複数の公共組織及び民間組織で勤務した経験を持ち、国際ジャーナルに数多くの研究論文を寄稿し、貿易と開発に関する書籍を執筆。主に国際経済分野に関わる研究を行っており、国際貿易と開発問題、貿易円滑化と貿易費用、サービス部門における貿易、インフラストラクチャと地域協力、そして海洋経済学に研究的興味を持っています。
会場: 横浜市西区みなとみらい、パシフィコ横浜 横浜国際協力センタ−6F、国連大学高等研究所 (UNU-IAS)
参加登録: 参加登録は無料で、一般公開されます。英語のみのセミナーとなります。参加ご希望の方は、下記までご連絡下さい。
UNU-IAS受付 Tel: 045-221-2300 Email: reception@ias.unu.edu
詳細はwww.ias.unu.edu/eventsを参照してください。
【登録日】2009.03.26