一般財団法人環境イノベーション情報機構
損害保険特別講座「地球温暖化に伴う気候の変化」
「今、2つの台風が太平洋上に発生しました。勢力はハリケーン“カトリーナ”級、日本に向かって北上しているところです。」去る2月に放映されたNHKスペシャル「気候大異変」は、冒頭から衝撃的な映像とナレーションで始まり、世界的な砂漠化、伝染病の拡大、植生の激変による国境を越えた民族移動等が、わずか100年間で現実化する可能性を訴えかけてきました。
この番組は、IPCC*1(気候変動に関する政府間パネル)に属する世界有数の科学者達が、世界最速のスーパーコンピュータ「地球シミュレータ*2」を使用して予測した結果を基にして、人類が短期間で迎えるであろう生活環境をCGにより映像化し、人類の温暖化放置に対する警告を発したものです。
ところで、自然災害による被害が拡大し続け、同時に人類の生活環境が地球規模で激変することにより、保険業界にとっては単なる保険金支払の増加に止まらず、保険料算出の基礎である経済活動上のリスク算定が困難になるという可能性も考えられます。よって気候変動は、もはや保険経営上重要な監視対象になったといえるのではないでしょうか。
本講演会は、地球温暖化がもたらす実像に迫り、環境保護を根本的に見つめ直すことを目的とし、IPCCのメンバーでもあり、自ら地球シミュレータプロジェクトでご研究を続けられている、東京大学気候システム研究センター、住明正教授をお招きして開講いたします。
総務部等、環境対策関連部署の皆様のみならず、リスク管理部門、商品開発部門、サービスセンター部門等より、多数の方々のご参加を期待いたします。
(*1)2000人以上の各国政府代表者と研究者から成るネットワーク。地球温暖化研究の最高権威。(*2)日本の国家プロジェクトとして開発されたベクトル型並列スーパーコンピュータ。地球規模の気候や地殻の変動メカニズムをシミュレーションすることができる。地球温暖化、異常気象等の地球規模の気候変動、超長期にわたる地球の地殻変動等の解明、予測等を目指して、高度な数値シミュレーションにより、地球規模の複雑に絡み合う諸現象を計算機上で忠実に再現するための超高速並列計算機システム。
講演者
東京大学気候システム研究センター 教授 住 明正 氏
講義項目
1.はじめに
2.気候変動は、政権を試すリトマス試験紙である
3.気候モデルによる温暖化予測
4.不確かな温暖化予測をいかに利用するか?
5.まとめー地球温暖化は、遠い将来の話ではなく
目先の問題である
日時 9月8日(金) 18:00〜20:00 (募集〆切日9/1)
受講料
¥7,300(税、資料代込)
場所 損保会館内会議室 千代田区神田淡路町2−9
問い合わせ先
損保総研教育研修部 03-3255-5512
【登録日】2006.08.21