ここ3年以上にわたり私たちの生活、そして様々な活動を蝕んできたCOVID-19感染症もまだ気が抜けないにしろ、だいぶ下火になりました。この影響は様々に及んでいますが、最も変化したものの一つが働き方、デジタル環境を利用したいわゆるリモートワークの採用でしょう。同時に社会システムのDXが迅速に推し進められています。この電子政府の最先進国の一つがエストニアです。コロナ前の2019年5月にエストニアを旅しました。ヘルシンキからタリンに向かう飛行機で日本人の学生と思われる若者と隣席になりました。旅行シーズンでないこの時期に何の目的でエストニアに向かうのか興味を持ちましたので、声をかけてみました。彼はやはり大学生で、エストニアに情報システムを学ぶため留学に来たのだとのこと。思わず嬉しくなり、同行諸氏に触れ回ってしまいました。詳細は調べてみていただきたいのですが、エストニアでは行政手続きのほぼ全てが電子化されており、個人情報の管理・開示は基本的に各個人に委ねられています。さて最近、生成AIのChatGPTが話題になっており、今後こうした新しいAI技術を避けては通れないでしょう。とは言えなかなか急速な進歩について行くことは大変ですが、諸情報を精査し、納得の行く範囲で利活用することが求められましょう。当機構においても、信頼性のある最新情報を迅速に提供するために、こうしたテクノロジーを有効に組み込むべく検討して参ります。

当機構は、環境情報普及センターとして1989年に設立以来、環境情報の提供サイトの運営などを通じて、環境分野において活動して参りました。中でも「環境用語集」、「環境Q&A」などは、多くの方にご利用いただいており、新たに環境問題の最新の話題・動向を解説する「環境風」コーナーを新設しました。また、身近なエコライフを支援するコミュニティサイト「エコナビ」、学童向けの「エコキッズ」なども展開し、専門家から子供まで、幅広く活用いただいています。

さらに、喫緊の課題となった脱炭素社会、循環型社会、自然共生社会を目指す取組みの一翼を担うべく、機構名を「環境イノベーション情報機構」に変更、環境省の二酸化炭素排出抑制対策事業費等の補助事業執行団体として、多くの地方自治体や民間組織と協働し多角的に活動を進めております。また、今までに培ってきました補助事業執行団体としてのノウハウを活用すべく、補助金コンサルティングを開始しました。

当機構は創立30年余の経験を活かし、信頼できる環境情報を提供するサイトとして、さらに新たな持続可能な社会構築の取り組みに資すべく活動の幅を広げ、質を高める所存です。皆様には、一層のご指導・ご支援をお願い申し上げます。

一般財団法人　環境イノベーション情報機構
理事長　㓛刀（くぬぎ）　正行