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帰化植物 環境用語

作成日 | 2003.09.10  更新日 | 2009.10.14

帰化植物

キカショクブツ   【英】Naturalized Plants  

解説

人為的な導入や偶発的な移入により侵入・定着し、野生化した植物(外来種のうち野外に定着したものを帰化種という)。自己の分布能力で自然に生活域を広げたものは帰化植物とはいわない。住宅地や農耕地で普通に見られるオオイヌノフグリ、セイタカアワダチソウ、ヒメジョオンなどは、帰化植物である。

世界的な物流の拡大に伴って植物が運ばれる機会が増加したこと、さらに工業化・都市化で帰化植物の侵入しやすい植被の少ない撹乱地が拡大したことなどが増加の原因である。荒地、氾濫原、半乾燥地帯などに生える帰化植物の中には、地球規模で分布を拡大している種もある。

帰化植物の中には、本来の地域生態系に属していた植物と置き換わったり、近縁の在来種と交雑するなど、侵入先の生態系に大きな影響を与えるものもある。このような種については、駆除や侵入の防止などの措置が必要となる。

帰化植物の元となる外来種は、輸送技術の発達や貿易量の増加に伴い、種数、量ともに増加傾向にある。外来種の増加は日本だけでなく、世界的に問題になっている。このため、最近では外来種問題は、生物多様性の保全上、最も重要な課題のひとつとされ、地球レベルでは生物多様性条約の枠組みの中で対策が検討されている。、また、国内では、外来種による生態系等に係る被害を防止することを目的とした「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律外来生物法)」が制定された(2004年)。この法律は、政令で指定した外来種特定外来生物)の飼養、栽培、保管又は運搬、輸入その他の取扱いの規制、国等による特定外来生物の防除等の措置などを定めている。

なお、日光・戦場ヶ原のオオハンゴンソウなど一部の帰化植物については、駆除が進められている。

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