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微生物燃料電池 環境用語

作成日 | 2024.07.02  更新日 | 2024.07.03

微生物燃料電池

ビセイブツネンリョウデンチ   【英】Microbial Fuel Cell  [略]MFC  [同義]MFC 

解説

微生物燃料電池とは、微生物(ここでは細胞外に電子を放出するための伝導経路を供えた菌のことで、発電菌とも呼ばれる)を用いて有機物の化学エネルギーを電気エネルギーへ変換するシステムのこと。

微生物が有機物を分解(代謝)する過程で生じた電子を微生物の細胞内から電極(負極)へ伝え、この電子がもう一方の電極(正極)で消費されることで電流が発生する。正極は酸素を電子受容体とするものが多く、酸素は電子を受け取って水となる。水素燃料電池は水素を燃料とするのに対し、微生物燃料電池は多様な有機物を燃料として利用できるというメリットがある。これは下水や食品系などの有機性廃棄物を含んだ排水を処理するのと同時に発電を行うことができるという画期的な技術であり、近年実用化に向けた研究が進んでいる(ただし、微生物燃料電池のコンセプト自体は20世紀初期に誕生した)。メリットの多い微生物燃料電池ではあるが、発電・処理技術として実用化に至った例は極めて少なく、今後の改良による電力の出力向上とコストダウンが求められる。(2024年3月作成)

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