一般財団法人環境イノベーション情報機構
作成日 | 2023.09.01 更新日 | 2023.11.20
気候クラブ
キコウクラブ 【英】Climate Club
解説
ドイツで2022年に開催されたG7サミット(主要7か国首脳会議)で採択された、世界の気候変動対策に関する新たな取り組みのための仕組み。
G7サミット2022の「気候クラブに関するG7声明」では、次のように述べられている。
「我々は、気候変動対策を加速し、野心を高めることによってパリ協定の効果的な実施を支援するため、気候クラブの設立を目指す。特に産業界に焦点を当て、それによって国際ルールを遵守しつつ、排出集約財の炭素リーケージリスクに対処していく」。
気候クラブは、次の3つの柱で構成される予定である。1)野心的で透明性のある気候緩和政策を推進し、気候ニュートラルへの道筋において参加経済の排出強度の削減。2)産業界の脱炭素化アジェンダ、水素行動協定、グリーン産業製品の市場拡大などを考慮し、脱炭素化を加速させるために産業界を共同で変革。3)パートナーシップと協力を通じて国際的な野心を高め、気候変動対策を奨励・促進し、気候協力の社会経済的利益を引き出し、公正なエネルギー移行を促進する。
気候クラブは、各国が世界の平均気温の上昇を1.5度に抑える努力をするとした「パリ協定」の実行を後押しするための枠組みであり、暫定的な事務局はIEA(国際エネルギー機関)とOECD(経済協力開発機構)に設置されている。実効性を高めるためには、中国やインドなどのG7以外の排出量が多い国の参加を促すことが課題である。(2023年5月作成)
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関連Webサイト
- 「日本政府は「気候クラブ」形成にどう関与するか。ドイツのG7サミットから今後の気候政策とエネルギー転換を展望する」(松下和夫) 2022-07-10:https://rief-jp.org/blog/126519
- 「気候クラブ」という新たなアプローチ:ドイツのG7サミットから(松下和夫):https://www.gef.or.jp/globalnet202207/globalnet202207-9/