決定的十年

パリ協定において定められた1.5℃目標を達成するためには、2030年までの2020年代の10年が決定的に重要であることを示す言葉。「勝負の10年」ともいわれる。2021年11月に開催された第26回気候変動枠組条約締約国会議（COP26）では、気候変動に関する政府間パネル（IPCC）が公表した「第6次評価報告書第1作業部会報告書」を踏まえ、パリ協定において定められた1.5℃目標を追求する重要性を改めて確認したうえで、2030年までを「決定的な10年」（critical decade）と位置づけ、すべての締約国に対して更なる行動を求めている。1.5℃目標達成のためには、2030年に世界全体の排出量を2010年比で45%削減し2050年頃には実質ゼロにする必要があることも合意文書に書き込まれた。もともと努力目標であった1.5℃目標が事実上の目標とされ、排出量削減目標も引き上げられた。そしてこれからの10年が決定的に重要であり、この間に対策を加速し実施する必要があることが強調されたのである。（2022年4月作成）