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ネガティブエミッション技術 環境用語

作成日 | 2018.11.13  更新日 | 2021.09.22

ネガティブエミッション技術

ネガティブエミッションギジュツ   【英】Negative Emissions Technologies  [略]NETs  [同義]負の排出技術  二酸化炭素回収(Carbon Dioxide Removal: CDR)技術 

解説

過去に排出され大気中に蓄積し、温室効果の最大要因物質とみなされる二酸化炭素(CO2)を人為的に回収・除去する技術のこと。なお、単にネガティブエミッション技術と言う場合は、IPCCでは、CO2以外の温室効果ガスを含めた回収・除去技術を示す。

具体的には、再植林及び新規植林、土地再生及土壌炭素貯留(農耕方法の転換等)、バイオエネルギー利用によるCO2の回収・貯留(BECCS)、炭素直接空気回収・貯留(DACまたはDACCS)、風化作用の強化、並びに海洋吸収の促進(アルカリ化)が含まれる。CCU、CCUS、CRの技術で最終的に貯留を行うものは該当するといえる。これらの技術は、その成熟度、費用等の面で大きく異なっている。

パリ協定(2015年12月採択)の1.5℃目標の達成のためには、IPCCによると2050年に二酸化炭素排出量実質ゼロが必要であるが、シミュレーションではこの目標を達成する全ての経路がネガティブエミッションを伴い、21世紀にわたって約1千億~1兆トンCO2を利用すると予測されている。また国際エネルギー機関(IEA)の報告書(2021年)では、2050年のネットゼロ排出量を達成するシナリオでは、76億トンのCO2を化石燃料や原料の使用、バイオマスエネルギーの使用、及び直接空気回収(DAC)により回収すると想定している。

このため、ネガティブエミッション技術の研究開発および普及が急務とも言えるが、技術面だけでなく社会的な制度・受容、ガバナンスなど課題は山積しており、これらの面でのイノベーションも必要である。(2018年5月作成、2021年7月改定)

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