作成日 | 2013.08.22 更新日 | 2019.06.28
東電事故調
トウデンジコチョウ 【英】Fukushima Nuclear Accident Investigation Committee [同義]福島原子力事故調査委員会
解説
(経緯)
2011年6月に、東京電力(株)が、事故の当事者として、「厳正かつ徹底した事故の調査・検証を行い、事故原因を明らかにし、そこから得られた教訓を今後の事業運営に反映していくこと」を目的として、設置した組織(委員長:山崎雅男・東京電力副社長、委員8名)。2011年12月2日に中間報告を、2012年6月20日に最終報告書を公表。
(報告書の要点)
1.これまでの原子力発電所における事故への備えは、今般の津波による設備の機能喪失に対応できないものであり、結果的に津波想定に甘さがあったといわざるを得ず、津波に対する備えが不十分であったことが今回の事故の根本的な原因である。
2.基本的な考え方として、想定を超える事象が発生することを考慮し、「津波遡上の未然防止」、「津波遡上があっても、建屋内への侵入防止」、「建屋内侵入があっても、その影響を限定するため、建屋内の水密化や機器設置位置の見直し」、「全設備機能を失ったとしても、原子炉への注水や冷却への備えを別置き配備」の対策を講じる。
3.情報公開に時間を要した主な要因は、全電源喪失に伴い、確認できるプラントデータが限定的となり、入手にも時間を要したことなどであった。情報を隠そうとした事実や意図はなかったものの、データ公開時の説明不足、リソース上の限界などにより、情報公開に消極的とも受け取られる事例が散見されたのも事実である。
4.3月14日、現場の状況が厳しくなる中、作業に直接関係しない者の一時退避を検討しているが、これは作業に必要な者は残って対応に当たる前提であり、全面撤退しようとしていたものではなかった。(2015年3月確認)