中国自動車排気汚染白書

中国政府が2010年11月に発表した統計。過去及び現在の自動車等のタイプ別保有台数から全国の排出総量を推計したもので、1980年からの自動車汚染物質排出量統計データを整備している。過去からの相対的な自動車汚染物質排出総量の変化が読み取れる。中国の自動車販売生産台数は年々増加しており、2009年には前年比48.3％増の約1380万台となり、米国を抜いて初めて世界一の自動車生産販売大国になっている。保有台数も、2009年末で約6200万台（オートバイ及び低速車を含めると約1.7億台に達している）。

中国では、2011年から大気中の窒素酸化物の総量規制（総量削減）が実施されることが決まっており、自動車起因の窒素酸化物の削減量の算定や規制導入に当たって、この統計データが役立つ。ただし、同統計は、保有台数から一律に算定しているため、各地域できめ細かな交通管理対策や走行量規制などの実質的な削減効果を反映できない可能性もある。