作成日 | 2009.10.14 更新日 | 2015.01.23
南南協力
ナンナンキョウリョク
解説
開発途上国が2国間、あるいは多国間で自律発展のために必要な経験、技術等をうまく活用して、開発に役立てようとする協力で、(独)国際協力機構は「途上国(援助卒業国を含む)が相互の連携を深めながら技術協力や経済協力を行いつつ、自律発展に向けて行う相互の協力」と定義している。当事国の間でなされるものであるが、日本はそうした南南協力に対してどのように支援していくかが課題である。2003年8月閣議決定の「新ODA大綱」では基本方針において、より開発の進んだ途上国と連携して南南協力を積極的に推進する、としている。具体的な南南協力と日本の支援の形態としては、(1)研修を実施する途上国が周辺国等から研修員を受け入れて実施する「第三国研修」及びそれに対する日本の支援、(2)開発途上国の人材を専門家として他の途上国に派遣する「第三国専門家派遣」とそれに対する日本の支援、(3)援助実施を行いたいとする国と日本が協力して他の途上国に対する協力を行う「ドナー間連携」、(4)開発途上国間で行われる技術協力活動である「開発途上国間技術協力」(TCDC、Technical Cooperation among Developing Countries)とそれに対する日本の支援、(5)援助実施国になろうとする国に対して日本が支援する「ドナー化支援」などがある。政府開発援助白書は「(日本は南南協力の)分野で世界をリードしている」としている。環境分野における南南協力支援について、(独)国際協力機構によって1997-2001年度の間に実施された「第三国研修」、「第三国専門家派遣」は116件。南南協力支援は環境分野においても推進する必要のある課題である。