一般財団法人環境イノベーション情報機構
作成日 | 2003.09.10 更新日 | 2009.10.14
ルリカケス
ルリカケス 【英】Lidth’s Jay
解説
スズメ目カラス科の鳥類。全長38cm、光沢のある濃い青紫色が特徴。奄美諸島の奄美大島と加計呂麻島のみに分布する日本の固有種で、徳之島でも記録がある。常緑広葉樹林を中心に生息する。大木の樹洞などに営巣し、地上や樹上で昆虫類、シイ・カシの堅果、鳥類の卵、小型爬虫類などを採食する。個体数についてはよく分かっていない。
生息を脅かす要因として、常緑広葉樹林の伐採や林道の建設による生息地の分断が考えられる。また、ネコやマングースといった外来捕食者、在来の捕食者であるハシブトガラスの増加などによって生息状況が悪化しているといわれる。1921年に天然記念物、1993年に国内希少野生動植物種にそれぞれ指定されている。環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧II類(VU)とされてきたが、その後の見直しを受け、2006年12月に公表された新レッドリストではランク外とされている。これは、森林植生の回復による生息環境の改善傾向という要因とともに、信頼のできるデータが多く集積されたという面が大きい。