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塩類集積 環境用語

作成日 | 2003.09.12  更新日 | 2009.10.14

塩類集積

エンルイシュウセキ   【英】Salts Accumulation / Salinization  

解説

灌漑水に含まれている塩分または本来土層に含まれている塩分が地下水位の増加に伴って毛管上昇し、土壌面蒸発によって塩類のみ地表に集積すること。集積する塩類は、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウムなどである。

工学的には排水が最も効果的な改良手法と言われているが、塩類集積が顕著なところでは一般的に地表勾配が小さく、排水の勾配も充分に取れないために自然排水は難しく、また粘土質土壌で排水不良になりやすい。塩類集積は工学的な要因だけでなく自然科学的、営農的、組織的な要因からも引き起こされる複雑な問題である。

また、塩類集積は地域性が高く、海水の遡上、海風による塩分輸送によっても現象が深刻化する場合もあり、これらの機構は複雑である。

現在、世界の灌漑農地の約24%において塩類集積で収量低下が起きていると報告されている。塩類集積は乾燥・半乾燥地で顕著な問題であり、不適切な水管理によって引き起こされた事例も多い。これらの地域では一般に生産性が低く貧困が深刻であり、持続的な生産性の向上が重要である。このように塩類集積地の改良は、事業投資の効率化の点からだけでなく人道的な見地からも重要な問題である。

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