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トウヒ林 環境用語

作成日 | 2003.09.10  更新日 | 2009.10.15

トウヒ林

トウヒリン  

解説

常緑針葉樹のトウヒが多く生育している林。トウヒは分類学的には北海道に分布するエゾマツの変種である。亜高山帯針葉樹林を特徴づける主要樹種で、日本では本州の亜高山帯にのみ分布する。

中部地方以北ではオオシラビソやシラビソ、コメツガなどと混生することが多いため、トウヒの純林や優占林分はあまりみられない。しかし、トウヒの分布南限にあたる紀伊半島では、トウヒ林(トウヒ群落)が亜高山帯林のなかで広い面積を占めている。

トウヒ林では、高木層にウラジロモミやコメツガ、落葉広葉樹のオオイタヤメイゲツが混生し、低木層にはシロヤシオ、ベニドウダンなどが生育する。

大台ヶ原の仏生ヶ岳から釈迦岳には美しいトウヒの純林がみられたが、近年シカによる樹皮剥ぎや踏みつけなどによる更新阻害のため、白骨林化したまま更新の兆しが見えない。

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