一般財団法人環境イノベーション情報機構
作成日 | 2003.09.10 更新日 | 2009.10.14
山岳の生態系
サンガクノセイタイケイ 【英】Mountain Ecosystem
解説
山岳地帯では、主に気温の違いから起きるさまざまな環境の変化から生物相の垂直分布が成立し、標高が高くなるにつれて森林が減退する。
特に高標高域では低温、強風、多雪、積雪による光合成時間の不足など強い環境ストレスが働くため、蘚苔類や地衣類、草本、矮性化、ほふく化した木本といった、生理的、形態的に高ストレス環境に強い種が生育するようになる。高標高地域では種の多様度は低く、生態系は単純化する。
日本の亜高山帯上部で優占するハイマツ群落の生産量は高く、低地の森林の生産量に匹敵するが、それを除けば一般的に山地での生産量は小さく、生物量も少ない。さらに、低温であるために分解速度も遅い。高標高地域の森林生態系は、低標高地域のものと比べて、人為的改変や環境変動に対して順応が弱く、回復も遅いので、山岳地域の開発や利用にはとくに配慮が必要である。
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関連Webサイト
- 国際山岳年日本委員会事務局:http://www.iym-japan.org/chapter13j.htm