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緩速ろ過 環境用語

作成日 | 2003.09.12  更新日 | 2009.10.14

緩速ろ過

カンソクロカ   【英】Slow Sand Filtration  

解説

貯水池や川から送られてきた水を、緩速ろ過池にため、水を何層もの砂利層に緩慢な速度(3-6m/日)で通過させて、砂層表面と砂層に増殖した微生物群によって、水中の浮遊物質や溶解物質を捕捉し、酸化分解させる方式。原水中の縣濁物質、細菌、アンモニア窒素、臭気、鉄、マンガン、陰イオン界面活性剤、フェノール類等を浄化する能力がある。

緩速ろ過法は消毒以外に特別な薬品は使用しないため水道水の味がよく、比較的簡単な運転制御で浄水機能が得られる等の利点がある。一方原水の処理に広い面積と長時間を要する、原水(水源)のある程度以上の汚染や高濁度に弱く、急激な原水の水質変化等で生物膜が破壊されろ過機能が失われた場合、ろ過機能の回復にかなりの時間が必要となる等の問題があり、さらに定期的にろ過砂を削り取りろ過機能を回復する必要がある。

戦前の日本ではほとんどがこの方式だったが、現在は、薬品を用いた急速ろ過法が一般的になり、本法は全国で給水量の5%を占めているのみ。

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