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気候変動に関する国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見 環境用語

作成日 | 2026.07.23  更新日 | 2026.07.27

気候変動に関する国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見

キコウヘンドウニカンスルコクサイシホウサイバンショノカンコクテキイケン   【英】Obligations of States in respect of Climate Change  

解説

各国の気候変動対策に関する国際法上の義務を明確化することを目的とし、2023年、国連総会は小島嶼国などの主導により、温室効果ガス排出によって生じる気候変動から現在および将来世代を保護する国家の義務、ならびにその不作為による法的責任について国際司法裁判所(ICJ)に意見を求めた。ICJは2025年7月23日、国際法に基づいて全ての国は気候変動を緩和し、気候変動の影響に適応するための措置を講じる「法的義務」があることを明確にする勧告的意見を公表した。ICJが気候変動と国際法に関して包括的な判断を示したのはこれが初めてである。

「清浄で健康的で持続可能な環境」は、すべての人権の前提とし、全ての国に対し、国際協定に沿って企業を規制し、排出量を削減することを求め、化石燃料の生産、消費、補助金が気候被害の原因であると具体的に言及している。削減目標の設定は、パリ協定1.5℃目標に沿わなければならず、化石燃料の消費や生産、補助金などを国際法の不法行為としてあげた。これらの結果で被害が出た場合、法的責任が問えるとしている。またICJは、企業に対する規制導入を先送りにし、気候変動対策を怠っている国は、国際的に違法行為を犯している可能性があるとの判断を下した。国や企業は、気候変動枠組条約パリ協定だけでなく、国連海洋法条約、気候以外の国際環境条約、慣習国際法および国際人権法上、国家には、人為的な温室効果ガス排出から気候系等を保護する義務があるとしている。ICJはさらに、「温室効果ガス(GHG)の排出量の多い国は、より貧しく、気候変動の影響を受けやすい国に対する技術と資金の提供を通じて気候変動の解決に協力する責任がある」とも強調している。

ICJが示した勧告的意見には法的拘束力はないものの、権威ある法的見解が示されたことで、今後、気候変動枠組条約締約国会議COP)、各国で多数提起されている気候訴訟、各国の気候変動対策等に実質的な影響を及ぼす可能性がある。(2026年5月作成)

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