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ナラ枯れ 環境用語

作成日 | 2024.09.01  更新日 | 2024.09.02

ナラ枯れ

ナラガレ   【英】Oak wilt(Oak wilt disease)  [同義]ナラ枯れ病 

解説

「ナラ・カシ類萎徴病」により、ナラ・カシ類、シイなど、ドングリのなる樹種が枯死する現象をいう。カシノナガキクイムシと呼ばれる養菌性キクイムシに媒介される病原菌(真菌類、カビの仲間:ナラ菌ともいう)に対する樹木自身の防御反応により、樹木の道管が閉塞し水分を枝葉に送れなくなって枯死することが明らかにされている。特に1990年代から現在に至るまで、本州以南の各地で、コナラ、ミズナラの大径木を中心に被害が広がっている。

ナラ枯れ自体は、江戸時代からの記録により在来病であることが判明している。若齢木が枯死に至る例は比較的少ないことから、薪炭林等の利用が衰退した1960年代以降に放置された広葉樹林が高齢級となり大径木化したことで、被害が目立つようになったと見られている。

被害対策としては、枯死木の伐倒・焼却・燻蒸等によりカシノナガキクイムシの蔓延を防止することや、予防策として、樹幹へのテープ巻き、トラップの設置などによりカシノナガキクイムシの侵入を防止することが試みられているが、決定打とはなっていない。抜本策としては、広葉樹資源の持続的利用を念頭に置いた森林施業を進め、いたずらに大径木を増やさないような森林管理体系に移行させる等の提言がある。(2024年6月作成)

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