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キリスト教の世界観・自然観 環境用語

作成日 | 2024.07.03  更新日 | 2024.07.03

キリスト教の世界観・自然観

キリストキョウノセカイカン・シゼンカン   【英】Christian perspective of nature  

解説

聖書は、神中心の世界観・歴史観を持つ。そして全知全能の神が世界を無から創造したと教える。被造物である世界は、神のものであり神の栄光を示すが、崇拝の対象ではない。また神の園(自然)を治める役割と責任が人間に与えられているとする。以上は、創造から十字架による救いを経て終末の救いの完成に至る歴史の中に位置づけられる。現代のカトリック・プロテスタントの主要な神学者は、共通してそのように理解している。またローマ帝国期のアウグスティヌスや宗教改革期のカルヴァンも、神の僕・財産管理人である人間が神の園に対して放縦にふるまうことを戒めた。他方で、キリスト教の自然観が環境破壊につながったとの批判がある。その批判の主な対象は、「人間中心の自然観」と「理性による自然支配」である。西欧においては近代の啓蒙主義以降、神なき「人間中心の自然観」が広まっていったが、それはキリスト教の範疇を越える。また「理性による自然支配」は、デカルトらが強調した近世以降の考えである。キリスト教の共通理解であるニカイア信条(4世紀)は、神中心の世界観・歴史観を明確に述べている。その枠組みの中にキリスト教の自然観はある。

ちなみに田中正造の数少ない遺品の一つは聖書だった。(2024年4月作成)

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