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ダスグプタ・レビュー 環境用語

作成日 | 2022.08.22  更新日 | 2022.09.16

ダスグプタ・レビュー

ダスグプタレビュー   【英】The Dasgupta Review  [同義]生物多様性の経済学 

解説

英国政府財務省が2021年2月に公表した人間の経済活動と自然生態系との関係に関する報告書「生物多様性の経済学(The Economics of Biodiversity)」のこと。著者がケンブリッジ大学名誉教授パーサ・ダスグプタ氏であることから、「ダスグプタ・レビュー」とも呼ばれている。報告書では、人間の経済活動は生物圏に組み込まれる(内部化する)べきとし、国内総生産(GDP)ではなく、道路や建物などの「人工資本」、教育や健康などの「人的資本」と同様に、自然を資産として生態系などの価値を評価する「自然資本」の考え方を取り入れることを提唱している。1992年から2014年までに1人あたり人工資本の価値は2倍に、人的資本は約13%増えたが、自然資本は40%近く減少したという。

また同報告書は、2021年6月に英国コーンウォールで開催されたG7サミットでも注目され、保全目標「30by30」を盛り込んだ「2030自然協約」の採択にも影響を与えたといわれる。2006年に英国政府が公表した「気候変動の経済学/スターン・レビュー」が地球温暖化対策の国際取り組みに多大な影響を与えたのと同様、「生物多様性の主流化」による生物多様性保全の推進に当該報告書が寄与することが期待される。(2022年8月作成)

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