作成日 | 2022.05.10 更新日 | 2024.09.27
持続可能な消費と生産
ジゾクカノウナショウヒトセイサン 【英】Sustainable Consumption and Production [略]SCP
解説
持続可能な開発目標(SDGs)のゴール12は「つくる責任、つかう責任」とされ、持続可能な消費と生産(sustainable consumption and production: SCP)を確保することとしている。SCPでは、商品や資源を生産、消費する方法を変えることで、経済成長と持続可能な開発を達成するとともに、天然資源を効率的に管理し、有害廃棄物や汚染物の処理方法を改善することを目指している。
具体的には、資源効率と省エネの促進、持続可能なインフラの整備、そして、基本的サービ スと、環境に優しく働きがいのある人間らしい仕事の提供、すべての人々の生活の質的改善を目指す。SCPの推進は、開発計画を達成し、将来の環境、社会、経済の統合を進め、経済的競争力を高め、よって貧困削減に資する。
1992年の国連環境会議(地球サミット)で、アジェンダ21の大きな課題が「持続可能な消費と生産(SCP)」であることが認識された。2002年の「持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルグサミット)」で、持続可能な生産消費形態への転換を加速するための計画に関する10年間の枠組みを策定することが明記され、2012年のリオ+20で「持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み(10YFP)」が採択された。10YFPは、各国からの拠出金で設立された基金を通じて、「低炭素型ライフスタイル」と「社会システム」の確立を目指すことを目的としている。具体的に掲げられているプログラムとして、(1)持続可能な公共調達、(2)消費者情報、(3)持続可能な観光、エコツーリズム、(4)持続可能なライフスタイル及び教育、(5)持続可能な建築・建設及び(6)持続可能な食糧システムを推進することとしている。
日本は、特に省エネと低炭素型ライフスタイルに関する経験や技術を、スウェーデン環境省や世界自然保護基金と共に推進している。(2022年3月作成)