インクルーシブ・ウェルス

これまで、国民の豊かさを表す概念としては、GDPなどの経済のフローをとらえるものが主として使われてきた。それに対して、インプットに基づくストック面からとらえるものとして考えられたのが包括的富（インクルーシブ・ウエルス）である。これには、従来重視されてきた人工資本だけではなく、人的資本、自然資本など人間福祉に貢献する資本が広く含まれており、国連大学と国連環境計画を中心に、この包括的富の世界の動向を計測するプロジェクトが進められている。

本概念は包括的富指標（IWI）として、表され、持続可能な指標のひとつと位置づけられている。ただし、異なる資本間の総和をとるプロセスで、それぞれの資本の代替可能性を認めていることから、この指標はいわゆる「弱い」持続可能性指標と理解されている。（2019年3月作成）