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緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(スピーディ) 環境用語

作成日 | 2012.05.16  更新日 | 2019.07.07

緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(スピーディ)

キンキュウジジンソクホウシャノウエイキョウヨソクネットワークシステム   【英】System for Prediction of Environmental Emergency Dose Information  [略]SPEEDI  [同義]SPEEDI 

解説

SPEEDIは、原子力発電所の炉心溶融等によって大量の放射性物質が放出されたり、そのおそれがあるという緊急時に、周辺環境における放射性物質の大気中濃度及び周辺住民の被爆線量などを、放出源情報、気象条件及び地形データを基に迅速に予測しようとするシステムで、文部科学省によって運用されている。文部科学省、原子力安全委員会、経済産業省、関係都道府県、また、地域における対策の検討を行う拠点として指定されている緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター)、及び日本気象協会を原子力安全技術センターに設置された中央情報処理計算機を中心に専用回線によって接続している。

しかしながら、福島第一原子力発電所の事故では、事故発生当初から放射性物質量の測定ができなかったこと等により、本来の機能を活用できず、信頼性の低い、仮定の放出源情報に基づく計算結果等しか提供できなかった。これらは、少なくとも避難の方向を判断するためには有用な情報と考えられるが、公表されず実際の避難等のためには利用されなかった。

その後、環境中の放射性物質濃度の測定結果とSPEEDIによる放射性物質の拡散シミュレーションを組み合わせることにより、放出源情報を逆推定し、この放出源情報を用いて改めて、過去に遡って施設周辺での放射性物質の濃度や被爆線量の積算の試算が行われ、事故から12日後に一部、さらに約2か月後に全部の計算結果が公表された。

なお、この間、国際原子力機関の要請に基づき、気象庁が放射性物質の拡散予測を連日行っていたが、政府は公表せず、ドイツやノルウェー等の気象機関が独自予測を行い、公表されていた。

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