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沿岸海域 環境用語

作成日 | 2003.09.10  更新日 | 2009.10.14

沿岸海域

エンガンカイイキ   【英】Coastal Waters  

解説

大陸棚から海岸までの海域、および内湾内海を含めた海域のこと。沿岸海域は、流入する淡水、浅く複雑な地形、人間活動の影響によって特徴付けられる。

海水は、河川から流入した淡水によって薄められ汽水となる。汽水の比重は海水よりも軽いため、上層を通って海洋に流出するが、この流出分を補うため外洋の海水が下層を経由して流入してくる。この海水の循環により、海底の物質が海面近くまで運ばれる。また、河口付近の地形によって、湾内の流れは大きく変化する。たとえば、河口部に周囲よりも浅い地形がある場合には、海水の交換を妨げられ、下層で貧酸素化が起こる。

沿岸海域は栽培漁業を含めた水産業にとって重要な海域であるが、人間活動よって排出される物質は、ほとんどこの海域を経由して外洋へ流出し、また、護岸、埋立て、防災工事などの大規模改変の対象になりやすく、海洋汚染富栄養化などの問題が生じやすい。

なお、1994年に策定された環境基本計画では、日本の国土空間を自然的社会的特性に応じて4区分に類型しており(「山地自然地域」「里地自然地域」「平地自然地域」「沿岸海域」)、そのひとつに位置づけられている。

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