一般財団法人環境イノベーション情報機構
作成日 | 2003.12.12 更新日 | 2009.10.15
ポロノロエステ事件
ポロノロエステジケン 【英】Polonoroeste Incident
解説
開発援助における環境配慮の必要性を示す象徴的な事件であり、公的な国際金融機関が環境への影響を理由に貸付を中止した史上初のケースとして有名。
世界銀行は、ブラジルのロンドニア州(面積は旧西ドイツに匹敵)における道路建設等の開発計画(「ポロノロエステ計画(Polonoroeste Project)」)に約5億円の融資を行ったが、これが環境保全上の配慮を欠いたものであるとして問題となった事件である。
道路が開かれた場所には、土地を持っていなかった貧農の移住が進められ、焼畑などを行った。しかし、農業開発はうまくいかず、入植者の80%は営農をあきらめ農地を放棄するなど、土地は荒廃した。
世界銀行は、この融資が環境保全に対する配慮の不足したものであったことを認め(1987年のコナブル総裁の演説)、融資に当たって環境影響評価を行い、その結果を融資計画に反映する仕組みを整備したり、世界銀行の中に環境担当組織を設けたりの対応をとっている。
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関連Webサイト
- ドナー国の責任と政策決定システム(JACSES):http://www.jacses.org/sdap/infoservice/bps/bps02.html
- 乱開発の進む理由・わたしたちとの関わり(熱帯森林保護団体 RFJ):http://www.rainforestjp.com/reason.htm