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遺伝資源に関するデジタル配列情報 環境用語

作成日 | 2024.03.21  更新日 | 2024.03.21

遺伝資源に関するデジタル配列情報

イデンシゲンニカンスルデジタルハイレツジョウホウ   【英】Digital Sequence Information  [略]DSI  [同義]DSI 

解説

生物遺伝子DNAの解析から得られたデジタル化された塩基配列データのこと。近年のゲノム解析技術の向上とバイオテクノロジーによる産業応用への発展などにより、デジタル化された遺伝情報(DSI)として国際核酸塩基配列データベース共同事業が運営する公共データベースINSDCに主に登録・公開されている。

生物多様性条約締約国会議COP)では、条約の目的の一つである遺伝資源へのアクセスと利益の衡平な配分(ABS)及びこのための取り扱いを定めた「名古屋議定書」の運用とDSIとの関係、すなわちABSの対象にDSIが含まれるかどうかという点が争点となってきた。多くのヨーロッパ諸国など先進国が、産業活動や研究活動の発展に支障を及ぼすとしてDSIをABSの対象とすることに反対する一方、生物資源原産国途上国)は賛成してきた。国内でも、知的活動によって生成されたDSIはABSの対象とはならないとする考えが産業界や科学界では強く、日本学術会議も2018年1月に反対の提言を表明している。こうした中で、2022年に開催されたCOP15においては、DSIの利用による多数国間利益配分メカニズムを設置し、他のオプションを含め公開作業部会を設置してCOP16に向けて検討するという決定が採択された。(2024年1月作成)

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