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有機フッ素化合物 環境用語

作成日 | 2023.09.02  更新日 | 2023.11.20

有機フッ素化合物

ユウキフッソカゴウブツ   【英】Poly- and Perfluoroalkyl Substances,  [略]PFCs、PFAS  

解説

ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物の総称であり、4700 種類以上の人工的に合成された化合物群のことで、PFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(パーフルオロオクタン酸)が代表的な物質。

有機フッ素化合物は、独特の性質(水や油をはじく、熱に強い、薬品に強い、光を吸収しない等)を持ち、撥水剤、表面処理剤、乳化剤、消火剤、コーティング剤等に用いられてきた化学物質であるが、これらの物質は環境中で分解されにくく、近年、環境残留性や蓄積性、長期毒性の疑いなどから製造、使用等が制限されている。

米軍基地内での泡消火剤として使用されており、沖縄県では、16年1月に県企業局が北谷浄水場の水源で高濃度のPFOSが検出されていると公表したほか、普天間飛行場では、2020年4月にも周辺住宅地などに大量の泡消火剤が漏出する事故が起きている。

こうしたことから、2020年(令和2年)5月、環境省は、PFOSとPFOAを人の健康の保護に関する要監視項目1に位置づけ、公共用水域及び地下水における暫定目標値(暫定指針値)を1リットルあたり50ナノグラム(50ng/L、PFOSとPFOAの合計値)に定めている。

また、2020年に、環境省が、水環境における全国的な存在状況を把握するため、各都道府県の有機フッ素化合物の排出源となり得る施設周辺等の計143地点において調査した結果、12都府県の21地点において水環境の暫定目標値の超過が確認されている。

一方、神奈川県が、2022年(令和4年)5月に採水した横須賀基地内の排水から暫定目標値を超えるPFOS等が検出されたことや同年9月24日には厚木基地内で泡消火設備が誤作動し、PFOS等を含む泡消火薬剤が蓼川へ流出したことを発表するなど、全国の自治体でも調査が進められている。

なお、環境省は、引き続き関係省庁及び関係地方公共団体と連携のうえ、人へのばく露防止のため、目標値超過時の飲用に関する注意喚起や汚染状況の把握の取組のほか、有機フッ素化合物を含有する泡消火薬剤の在庫量調査及び代替促進等の取組を進めていくこととしている。(2023年4月作成)

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