一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ、原子力規制改革や科学への信頼確保に向けた大統領令を発出
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2025.06.10 【情報源】/2025.05.23 発表
アメリカのトランプ大統領は、先進的な原子力技術の導入加速、科学研究の推進及び科学に対する国民の信頼の再構築に向け、複数の大統領令に署名した(注1)。原子力に関する大統領令は、エネルギー省(DOE)の研究所における原子炉設計試験を許可する、安全保障のために国有地における原子力発電所の建設を可能にする、原子力規制委員会に対し許認可に関する迅速な判断を求めて規制面の障壁を取り除くことなどを内容としている。
ホワイトハウス科学技術政策局のクラツィオス局長は、過去30年間停止していた原子炉建設の再開を示唆し、「アメリカは強固な原子力産業基盤を再興し、原子力燃料の国内供給網を再構築し、原子力エネルギーで世界をリードする未来へと進んでいく。
こうした取組はエネルギー自立の確保や人工知能(AI)などの新技術分野における優位性の維持に不可欠だ」と説明する。
また、科学に関する大統領令は、中立で厳密な信頼性の高い科学(ゴールドスタンダード・サイエンス)(注2)に沿って科学研究や科学政策などを行なうよう指示する内容である。
(注1)2025年5月23日付で以下の5つの大統領令が発出されている。「ゴールドスタンダード・サイエンスの回復」、「原子力産業基盤の再活性化」、「エネルギー省における原子炉試験の改革」、「原子力規制委員会に対する改革命令」、「国家安全保障のための先進的原子炉技術の導入」
(注2)以下を満たす科学研究・政策を指す:再現性があること、透明性があること、反証可能なこと、公平で偏りのない査読を受けていること、誤りや不確実性が明確に示されていること、仮定や結果に対して懐疑的であること、協働的で学際的であること、否定的な結果にも価値を認めること、利益相反がないこと
【アメリカホワイトハウス】