国連食糧農業機関、アグリフードシステムの脱炭素化への道を示す報告書を発表

【健康・化学物質 その他(健康・化学物質)】 【掲載日】2022.07.12 【情報源】国連／2022.06.22 発表

　国連食糧農業機関（FAO）は、アグリフードシステムの脱炭素化への道を示す報告書「炭素中立への投資：ユートピアか新たなグリーンウェーブか」を発表した。アグリフードシステムは、世界の温室効果ガス排出量の21〜37％を占める主要な排出源であると同時に、気候変動により大きな被害を受けており、脱炭素取組は重要課題である。
　一方、農場から食卓までの全過程をカバーするアグリフードシステムは、人的資源・資金の不十分な多数の小規模事業者、生産過程や財・生産物の著しい多様性、同一種類の生産物間の炭素集約度のばらつき、用語・データベース・標準化・計量化の未整備等々さまざまな問題がある。
　報告書は、取組として、資金の低炭素市場への誘導、技術導入へのインセンティブの提供、炭素市場・低炭素金融の推進等が有効であると述べ、政府の役割として、炭素中立へ向け、目標と方向性の明確化、達成のための規制・仕組みの確立、データ整備、排出の計量・報告・検証の標準化、小規模生産者への支援、能力構築と啓発の重要性を指摘している。
【国連食糧農業機関】