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環境ニュース[国内]

日本郵船ら、製油所で脱炭素化を目指す水素サプライチェーン実証実験に、組合がMCHをブルネイから輸送・供給

エネルギー 燃料電池】 【掲載日】2021.09.08 【情報源】企業/2021.08.10 発表

 日本郵船株式会社は、千代田化工建設株式会社、三菱商事株式会社、三井物産株式会社らと4社共同で設立した次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合を通じ、ENEOS株式会社と、同社が推進する実証事業に向けて、ブルネイ・ダルサラーム国(以下、「ブルネイ」)で製造する水素をメチルシクロヘキサン(MCH)として供給する契約を締結した。
 発電やモビリティを含むさまざまな産業において、CO2フリーのクリーンなエネルギーとなり得る水素は、脱炭素社会構築の切り札と目されている。しかし、水素を多く使用する需要地とその供給地をグローバル、且つ安定的に結ぶ大規模な長距離輸送および長期間貯蔵は、水素社会の実現に向けた一つの技術的な課題となっている。トルエンと水素から生成されるMCHは、常温・常圧下では液体の状態で、貯蔵や輸送については製油所の設備やケミカルタンカーを含む石油および石油化学品向けの既存のインフラを活用することが可能、そして必要な時に水素を取り出すことができる有機化学品です。組合は、このMCHをこうした技術的課題解決手段の1つとして利用することを目指し、MCHによる水素の利用商業化に向けた実証事業に取り組んできた。
 組合は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成を受けて、ブルネイで製造したMCHを日本に初めて国際間輸送し、水素を安定的に取り出す実証を2020年に実施・完了した。 今般その実績を基に、ENEOSがCROS(石油供給構造高度化事業コンソーシアム)の助成を受けて実施する同社製油所向けの技術実証支援事業においても、組合がブルネイで製造する水素をMCHとしてケミカルタンカーなどで輸送し、供給する役割を担うこととなった。
 現在、国内の工業用水素利用の過半を占めるとされる石油精製の脱硫工程では、CO2の排出を伴う化石燃料由来のグレー水素が利用されている。製油所で利用するグレー水素を、MCHで輸送・貯蔵したCO2フリーの水素に置き換えることにより、CO2排出量の削減が可能であることから、今回のENEOSの実証事業に対する組合のMCH供給協力は、水素輸送・貯蔵手段としてのMCH活用の普及・拡大に向けた大きな一歩となると期待される。
 組合4社は今後も、さまざまな産業と連携しながら、水素社会の実現に貢献していく、としている。
【日本郵船株式会社】

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