EU、生物多様性2010年目標の達成状況を評価する報告書を公表

【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2010.10.21 【情報源】EU／2010.10.08 発表

　10月8日、欧州委員会は、報告書「EU生物多様性行動計画実行評価」を公表した。欧州連合は、2006年、2010年までに生物多様性の喪失を阻止する目標を定めたが、報告書では、その目標は達成されなかったことが示されている。しかし、絶滅危機種と生息空間を保護する複数の対策は成功しており、特に、自然保護ネットワーク「Nature2000」は大幅に拡張しており、既に欧州連合域内の18％に相当する土地が、ネットワークに含まれていることが評価されている。また、LIFE＋ファイナンスプログラムの適用範囲が拡大され、生物多様性に関する包括的なテーマが対象となり、行動計画の実行を支援する結果となったと評価されている。また、生態系と生物多様性の経済価値を評価するTEEB研究プロジェクトにおいても、「自然」についてまとめた章が充実しており、政策決定者に対し、自然遺産への投資の重要性を訴えることに成功している。また、行動計画そのものが、人々に対し、生物多様性喪失の要因をよりわかりやすく示し、生物多様性が他の分野と密接に関わり、気候変動対策や適応対策において重要な役割を持っていることを理解させることになったと評価されている。
　報告書には、欧州連合加盟国27ヶ国における生物多様性損失防止への対策に関する情報やデータが含まれている。さらに、指標を用いた個々の加盟国の取り組みの比較も示されている。【欧州委員会環境総局】