一般財団法人環境イノベーション情報機構
2008年12月の上空オゾン量、紫外線強度を公表
【地球環境 オゾン層】 【掲載日】2009.01.20 【情報源】気象庁/2009.01.20 発表
気象庁は、札幌、つくば、那覇の国内3地点と南極・昭和基地で実施しているオゾン層と地上に到達する有害紫外線の強度の状況に関する2008年12月度の観測結果を発表した。国内3地点の月平均オゾン全量(ある地点の上空のオゾン総量)は、参照値(注1)と比べ、札幌は6.1%減、つくばは5.1%減、那覇は0.4%増を示した。また昭和基地は参照値より、25.1%少なかった。
一方、国内3地点の日積算紅斑紫外線量(注2)の月平均値は、参照値である観測開始(注3)〜2007年の月別累年平均値と比べると、札幌で並で1平米あたり0.29キロジュール、つくば及び那覇はいずれも多く、それぞれの値は1平米あたり0.73キロジュール、1.50キロジュールであった。つくばと那覇の記録は12月の平均値としては観測開始以来最も多い値となった。
国内全域の日最大UVインデックス(注4)の月平均値のデータでは、東北から北陸・近畿・中国の日本海側と北海道・関東・四国・南西諸島の一部でも参照値である1997〜2007年の月別累年平均値と比べ、UVインデックスの値が10%以上大きかった。また、小笠原諸島では参照値より10%以上小さかった。
米国・航空宇宙局(NASA)のニンバス7衛星のデータと、気象庁の観測値から作成した全世界の月平均のオゾン全量分布について、参照値である1979年から1992年の月別平均値との偏差を解析した結果では、北アメリカの一部では参照値に比べ10%以上多く、大西洋北部、ロシア西部、太平洋北部、南アメリカ南端、大西洋南部、南極大陸周辺では参照値に比べ10%以上少なかった。【気象庁】
(注1)札幌、つくばは1971〜2000年、那覇については1974〜2000年の月別平均値。また、昭和基地についてはオゾンホールが明瞭に現れる以前の1961〜1980年の月別平均値。
(注2)紫外線が人体へ及ぼす影響の度合を示す量。紫外線が人体に及ぼす影響は波長によって異なるため、280〜400ナノメートルの波長範囲について、波長ごとに波長別紫外線強度に人体への相対的影響度を掛け、積算して求める。
(注3)日積算紅斑紫外線量の観測開始は、札幌、那覇が1991年、つくばが1990年、昭和基地が1993年。
(注4)紅斑紫外線量を日常使いやすい数値にしたもの。気象庁では上空のオゾン量データや、気象台やアメダスで観測された気象データなどを基に毎時の数値を推定している。