一般財団法人環境イノベーション情報機構
モントリオール議定書第19回締約国会合、ハイドロクロロフルオロカーボンの規制スケジュールの強化などを決定
【地球環境 オゾン層】 【掲載日】2007.09.26 【情報源】環境省/2007.09.22 発表
2007年9月17日から21日まで、カナダのモントリオールで「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書第19回締約国会合」が開催された。この会議には締約国の代表約540名、国際機関、産業界、NGO、プレス等から約240名が参加。開発途上国におけるHCFC対策の強化について集中的な議論がなされ、
(1)2009〜2010年のHCFC生産量・消費量の平均値を基準に、2013年以降その水準を上回らないよう規制する(現行は2016年以降、その生産量・消費量を2015年の水準を上回らないよう規制するとしている)、(2)2015年に−10%、2020年に−35%、2025年に−67.5%へ、段階的に生産量・消費量を削減、(3)2030年に既存の冷凍空調機器の補充用冷媒分(2030〜2040年の間平均2.5%/年)を除いて全廃(現行は2040年に全廃)するなどが合意された。
先進国におけるHCFC対策についても、その消費量を2010年に基準量(注1)から75%削減するよう強化(現行は65%削減)するとともに、生産量を2010年に75%削減、2015年に90%削減、2020年に原則全廃する(現行は2004年以降基準量を上回らないよう規制)というスケジュールが合意された。
また、本年は、議定書が採択されて丁度20周年に当たることから、これまでの成果の確認と今後も必要不可欠な取組であることの確認が成されるとともに、気候変動などの他の環境問題の解決にも効果のある方法によりオゾン層回復を加速することが重要であること等を盛り込んだ「モントリオール宣言」が採択された。
次回締約国会合は08年11月にカタールのドーハで開催される予定。
(注1)先進国におけるHCFCの消費量・生産量の規制は、1989年の消費量・生産量をもとに算定。【環境省】