一般財団法人環境イノベーション情報機構
植物のCO2固定について
登録日: 2004年11月12日 最終回答日:2004年11月18日 地球環境 地球温暖化
No.8414 2004-11-12 02:11:35 学生
私は現在炭素固定について勉強していますが、植物のCO2収支はトータルでは0ということが理解できません。植物は、炭素を固定していき、そして枯れたら分解により固定していた炭素は大気中に放出される。そこまではわかるのですが、例えば石炭などの化石燃料の原料には植物が入っています。化石燃料にはならなくても土中に固定されていく炭素もあるのではないのでしょうか?勉強不足ではあると思いますが、知っている方はよろしければ教えてください。もし土中に固定するのだったらその割合も教えてください。
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No.8455 【A-1】
Re:植物のCO2固定について
2004-11-15 16:53:42 コロ (
回答に対するお礼・補足
ありがとうございました。参考にさせていただきます。
No.8464 【A-2】
Re:植物のCO2固定について
2004-11-16 00:09:07 万田力 (
現存する植物の成長速度は分解速度とほぼ平衡しており、一見土中に固定されたように見えても有機物のレベルでの土中への滞留で、長期的な目では固定されたとは言い難いのではないでしょうか?
炭素の土中への固定は、生物による分解を大きく上回る植物の成長があったとき、自然発火をしなければ、炭化されて「土中に固定」されることもあるでしょう。
バーク堆肥の製造現場等で、しばしば炭化されたバークや木片を見かけますが、切り返しをして温度を下げてやらなければ自然発火をしてしまうように、よほど特殊な条件下でなければ、炭素の固定=炭化はできないと思います。
回答に対するお礼・補足
ありがとうございました。参考にさせていただきます。
No.8508 【A-3】
Re:植物のCO2固定について
2004-11-18 17:17:51 ちしゃ (
原生林や極相林と呼ばれるような高齢の森林が極めて少ない
日本の場合、限定?のようですが。
森林総合研究所 四国支所 地球温暖化と森林の二酸化炭素吸収
http://www.ffpri-skk.affrc.go.jp/co2/index.html
Q3:原生林は,二酸化炭素を吸収しないと言われますが,本当ですか?
A3:原生林,極相林では若い樹木の成長量と老木の枯死量が釣り合っています。
しかし,二酸化炭素問題にとって極相林は最も重要です。
http://www.ffpri-skk.affrc.go.jp/co2/co2_page6.html#Q3
シンクとソース
(IPCCの算定方法は)バイオマス中・土壌中に含まれている炭素の全部
が、燃焼又は腐朽によって、大気中に放出されるという前提で、伐採された
木材が適正に使用され、長期間維持される可能性は考慮されていません。
http://www.ffpri-skk.affrc.go.jp/co2/co2_page3.html
また「Q3:原生林は」からリンクされている
「二酸化炭素を封じ込める森林土壌のはたらき」
http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/kouho/mori/mori-96.htmlは
日本の森林土壌中に貯えられているおおよその炭素量は54億トン
樹木中に貯えられている炭素が約11億トン
としています。
ただし一方、森林総合研究所の森林土壌の発達に伴って炭素貯留機能はどう変わるか?
http://ss.ffpri.affrc.go.jp/labs/kouho/seika/2000-seika/2000.4-5.html
では、堆積後1000年以上経過した土壌でも表層への有機物蓄積は進んでも,
下層への有機物蓄積は進んでおらず,しかも蓄積された有機物が未熟で容易に
分解されて二酸化炭素として放出されやすいものであったとの研究結果が紹介
され、「炭素貯蔵庫として森林土壌が機能するには長大な時間を要することを
示すものである」と結論しており、万田力さんの指摘のように簡単ではないようです。
回答に対するお礼・補足
大変参考になりました。本当にありがとうございます。またこれからも質問を出すとは思いますが、これからもよろしくお願いします。
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