市町村の合わせ産廃の処理は不法行為?
登録日: 2004年03月12日 最終回答日:2004年07月27日 ごみ・リサイクル ごみ処理
No.5309 2004-03-12 07:44:28 まさ
質問項目は、何度かこのゴミ・リサイクルのカテゴリーで触れられている、「事業所で生じた空き缶、空きペットは、産業廃棄物or一般廃棄物ということ」に関してです。
問い合わせたところ、産廃許可権者である某都道府県や某市の産廃担当者も、また、某市区町村の清掃・リサイクル担当者も、口をそろえておっしゃるには、法的(法はいわゆる廃掃法以下同様)には、「産業廃棄物」であるとのことです。ただし、実際には、市区町村の一般廃棄物の処理施設(リサイクル施設のこと)に余裕がある場合は協議の上、受け入れて「処分」するとのこと。
私は「産業廃棄物」であるというこの解釈は、いちばん広い法の解釈であり、言い換えれば、国民が、素直に法を読んだ時に理解できる当然の解釈であると認識しております。
そこで、問題になるのは、市区町村による処理が、いかなる根拠においてされているかということになります。
わたしは、てっきり法第11条第2項、市町村による産廃処理の事務としてなされているのかと思い込んでしまい、確認したところ、自治体の産廃担当者によると、「違う」とのご回答。では、根拠はなんなんですかと問うと、「グレーゾーン」とのお返事。環境省も環境省の所管法人である財団法人日本産業廃棄物処理センターも、法の定義「事業活動に伴って生じた廃棄物・・・以下略」についての明確な解釈をだしていないから、「グレーゾーン」なんです、とのこと。
そこで、平成14年度版の財団発行の講習会テキスト収集・運搬過程を確認すると、15ページにおいて、まさに、飲料容器や弁当がらを例示し、自治体の解釈によって取扱が異なると認め、「『事業活動に伴う』といえるかどうかが問題となる。」との記述にとどめ、明確な解釈をさけています。
法の構成からいきますと、産業廃棄物以外の廃棄物=一般廃棄物なのですから、一般廃棄物の処理を事務とする市区町村の解釈が、産業廃棄物を規定している現状は、おかしい(面白すぎる、そして、変)としか言えません。
私は、自治体のいわゆる上乗せ横出しですまされる問題ではないと考えます。
この問題を解決するには、市町村の産廃の処理は不法行為として訴訟でもおこすしかないのでしょうか。
賢人のみなさまのお知恵、ご回答をいただければ幸いです。
総件数 6 件 page 1/1
No.5318 【A-1】
Re:市町村の合わせ産廃の処理は不法行為?
2004-03-12 20:05:00 きた (
どのような点が問題(「不法行為」)なのでしょうか?
あわせ処理をあわせ処理といっていない、ということが問題なのでしょうか?
回答に対するお礼・補足
東京の区などでは、廃棄物に関しての条例等で法の第11条第2項に則って事業所の産廃を処理することを明確に記しています。私が問い合わせた自治体では、法によらず、産廃を処理していることになるわけです。きたさんごぞんじのように本来合わせ産廃とは、法の第11条第2項による処理のことで、今回指摘した自治体はいってみれば、本来産廃として処理しなければならないと認識しているものを、事業系一般廃棄物として処理している似非合わせ処理ではないでしょうか?これって不法行為っていえませんか?
No.5331 【A-2】
Re:市町村の合わせ産廃の処理は不法行為?
2004-03-16 14:16:22 お役人 (
>てっきり法第11条第2項、市町村による産廃処理の事務としてなされているのかと思い込んで
窓口でどのように回答されようと第11条第2項であることはっきりしています。但し今までは公にそれを言うと国庫補助金の目的外使用になってしまうので、なかなか申し上げにくい状況になっておりましたが、最近は処理能力の範囲内で受け入れることも可能ということになりそうなので苦しい言い訳はなくなると思います。
> 法の構成からいきますと、産業廃棄物以外の廃棄物=一般廃棄物なのですから、一般廃棄物の処理を事務とする市区町村の解釈が、産業廃棄物を規定している現状は、おかしい(面白すぎる、そして、変)としか言えません。
論理からするとご説のとおりですが、本邦における廃棄物の定義はグローバルスタンダードであるバーゼル法の区分と比べてもかなり異色のものです。輸出入が国際基準になっていることに比べて国内は全くのローカルスタンダードであることに歯がゆい思いをされているようですが、そのことはお役所でも同じです。
廃棄物の定義替えは国でも検討中ですでの後日パブリックコメントなどで意見表明する機会もあるかと思います。
> この問題を解決するには、市町村の産廃の処理は不法行為として訴訟でもおこすしかないのでしょうか。
勝ち負けはわかりませんが、根拠条項を探すことはなかなか困難かと思います。この法律は定義からしてあやふやで、行政裁量の範囲が他法令に比べてきわめて大きいことが特色ですから。
回答に対するお礼・補足
お役人さまありがとうございます。
実は、私は、日本で一番大きな広域自治体のパブリックコメントで2点ほど意見の表明をしようかと考え、そこの産廃担当の方にいろいろと問い合わせをしているのです。この自治体では、数年前に清掃事業の大改革がありました。おもしろいことに、その改正により、清掃事業をになうことになった基礎的自治体の多分全部は(恥ずかしながら23も自治体があるので調べ切れません、とほほ。)、法の第11条第2項をいわゆる廃棄物条例で受けて明確に産業廃棄物の処理をその事務としているのですが、処理の実態に関して処理基準上、適法とはいいがたいことがあり、かたや旧来から固有事務としているところの市町村の多分多くは、その条例の中には、法の第11条第2項はもちろんのこと、産業廃棄物の文言はないまま、実際には事業系一般廃棄物の範疇で空き缶等の産業廃棄物の処理を行っている。どっちもおかしいよね、というのが私の考えなんですが。私よくわからないんですが「告示」とやらなしでもOKなんでしょうか。さて、お役人さまがご指摘の国庫補助金、この絡みがあるとは思いもよりませんでした。たぶん、一般廃棄物処理施設の整備を目的に補助金がもらってているので、産業廃棄物の処理ができないといったことなのでしょうか。
ともかく、この問題の根底にはやはり法のローカルな産業廃棄物の定義がひそんでるようですね。
No.5338 【A-3】
Re:市町村の合わせ産廃の処理は不法行為?
2004-03-17 09:24:09 カッチ (
市町村が何を根拠に産廃を処理するかというのは、お役人さんのおっしゃるとおり、法第11条第2号であり、まささんの応対にあたった担当者が勘違いしたのではないでしょうか。
この条文は、排出者責任による産廃処理(委託を含む)を、市町村が補完できるという意味であって、この条文によらずには産廃は処理できないとしているわけではありません。
昔は、産廃も一廃も事業系も家庭系も区別無く処理されていたので、そのような実情を踏まえて、廃棄物処理が円滑に進められるようにと規定されたのではないでしょうか。
特に、最近は産廃処理施設の設置が困難な状況で、市町村処理に頼ろうとする傾向が国にもあるようで、一廃処理と産廃処理のボーダーラインを近づけようとする施策が多いように思います。
回答に対するお礼・補足
カッチさん、ありがとうございます。
この条文によらずに、市町村は産廃の処理の事務としてできるんですか、なるほど。でもそうなると、省令第8条の2の第1項、第8条の3の第1項の、運搬、処分について事務として行う場合に限るという規定が不用になってくるんではないでしょうか?また、排出者責任の産廃処理の補完以外の都道府県や市町村の処理ってありえるんでしょうか。(事業者としての自己処理は除いて)
このことと、事業者が地方公共団体に処理を依託する場合、往々にして、政令第6条の2第3項に規定された書面による契約ではなく、書面による申請、書面による承認という行政手続きですますことと関係あるのでしょうか。
なぞは深まるばかりでございます。
No.5342 【A-4】
Re:市町村の合わせ産廃の処理は不法行為?
2004-03-18 13:10:07 カッチ (
何をもって事務としているかということですね。
通常は一般廃棄物処理計画の中に、産廃処理も盛り込んでいるのではないでしょうか。
本来は一廃の処理に使用する施設で産廃を処理するわけで、当然ながら、本来の目的である一廃の処理が滞っては困りますからね。
ですから、どんな産廃でも引き受けるということではなく、産廃の排出や処理の実態を把握した上で、必要とされる部分について可能な範囲で手伝ってもいいよというのが本来の目的だと思います。
それと、税金を使って一部の事業者の便宜を図るわけですから、処分料金は徴収すると思いますので、手数料条例とかで定めている場合もありますね。
いずれにしろ、産廃処理を事務とするかどうか、そのことをどこで規定するかは市町村に委ねられています。
> 書面による契約ではなく、書面による申請、書面による承認という行政手続きですます
おっしゃるとおり、法令や通知を見ても、市町村に委託するからといって契約書は不要だよとはされていません。管理票は不要となってますけどね。
おそらく、市町村が産廃処理をその事務とした時点で、自治事務になってしまうことから、事業系の一般廃棄物の委託の場合と同様に、書面での契約というところまでは法令で定めなかったのではないでしょうか。
回答に対するお礼・補足
カッチさまありがとうございます。
いや〜、本当にここは勉強になります。地方自治法まで取り組まねばならぬとは、とほほ。
カッチさまが述べられてることを私なりに整理させていただきます。
自治体の産廃処理の事務の規定は、その自治体にゆだねられている。たとえば、そのひとつが、廃掃法第6条第3項の規定により、地方自治法第2条第4項にいうところの自治体の議決した基本構想に即した一般廃棄物処理計画なのじゃ、ということですよね。
繰り返しになりますが、問題なのは、計画のなかに産廃の処理として盛り込まれているならともかく、そうではない。つまりその自治体の処理するものには産廃はないことになっている。そして計画上かつ実態として事業系一般廃棄物として処理されてことが、ままあるのです。よく調べてはいないですが、こういう自治体はたぶん事務の規定をどこにも規定していないとおもわれるのです。国庫補助金のお話は承りましたが、違反は、違反でしょ、ってことなんです。
書面よる契約に関わる委託基準については、おっしゃられるとおりなんでしょうね。
自治事務であるので、政令第6条の2の第1項、第2項の「業として行うことができる者」との関係で、定めないことで事実上不要としているんだと。でも不親切ないやらしい規定の仕方ですよね。
No.5352 【A-5】
Re:市町村の合わせ産廃の処理は不法行為?
2004-03-19 22:19:50 きた (
委託基準は委託者に課せられるもので、相手方が誰であれ例外はなかったと思います。市町村等が相手方である場合に例外はないはずです。(これは市町村の問題点でなく、直接的には委託者の問題となります。)
かつて、市町村へは「依頼」するのであって、「委託」するのではないという理屈でこの問題を避けていたこともありますので、この問いについてどのような返事が返ってくるかは分かりません。
回答に対するお礼・補足
きたさんありがとうございます。またまた面白くなって来ましたね。「依頼」か〜。そうすると、法第12条第3項に基づく省令第8条の2の第1項の自治事務として行う地方公共団体の産廃処理以外に、事業者からの「依頼」による、方公共団体の、廃掃法によらない、かつ事務に限らない産廃処理(地方公共団体によるヤミ産廃処理か〜)っていうカテゴリーが存在することになりますよね。でもこれは、論理が破綻していますよね。理屈ではなく、屁がつく理屈の方ですね。
ですので、善意に善意を重ねて、好意に好意を重ねて、A-5のカッチさんの回答に対するお礼のなかで述べた根拠を考えたのですが。
きたさんの指摘されているのは法第11条の2の第4項で規定されている委託基準に従う主体は、事業者であること。そして、これ以外に規定がないのだから、政令第6条の2の第1項、第2項の「業として行うことができるもの」のなかに、地方公共団体が含まれること。だから、それに続く第3項に規定されている書面契約が地方公共団体への委託の場合も係ってくるのが当然のこと。ってことですよね。
ウ〜ン。この件について問い合わせたところ地方公務員の方々は、明確な根拠を見出せなかったんです。私のほうから、こういうことでいいんですかね?と持ち出したところ、何人かの方々は多分そうだと思うというお答えが返って来たのです。またある人は、「書面よる行政手続きを書面による契約とみなしているです。」というお返事だったので、「でも勝手な解釈で、法に則ってないですね。」と突っ込むと日を改めてお答えくださることになりました。
ですので、もはや環境省に問い合わせるしかないのかなと考えているところなんです。
実は、字数制限の関係で省いたことで、前にお礼のなかでもちらっと触れたんですが、合わせ産廃を行っている自治体にも問題があるのです。
それは、ある地方公共団体で事例を見い出したのですが、集積所方式による合わせ産廃の収集についてです。(各自治体でなんと称しているか知りませんが、ごみ回収の日に公道等にごみを集積する方式のことです。)これって、事業者が保管基準に従っていないことになりませんか?
No.7054 【A-6】
Re:市町村の合わせ産廃の処理は不法行為?
2004-07-27 22:22:07 なん (
一般廃棄物と明確に区分されている以上、質問のようなケースは考えられ難いと思います。
もし、許可業者が一般廃棄物と混載している場合は告発でもなんでもするべきでしょう。
また、市町村の委託業者が産廃を取り扱う場合は産廃業の許可は不要になります。このあたりは市町村が産廃処理も認められているという勘違いの一因でしょう。ただし、市町村が直接産廃を扱う場合は県と協議を行うように指示されています。
グレーゾーンと呼ばれるものは法の解釈の結果ですから、解釈せずにそのまま読めばよいのです。
ただ、一般廃棄物の処分施設について国庫補助金を活用した場合は目的外使用として返還を請求されるケースもありましたが、今は緩和されております。
総件数 6 件 page 1/1