一般財団法人環境イノベーション情報機構
発がん性物質における水道水質基準について
登録日: 2008年08月06日 最終回答日:2008年08月06日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)
No.28948 2008-08-06 01:47:41 ZWlb736 おちゃる
発がん性物質は、どんな少量でも発がんの可能性があるので、自分は、発がん性物質を少しでも摂取してはいけないと考えているのですが、水道水質基準では、項目14の1,4-ジオキサンはラット実験で発がんを確認できているのに、水質基準では、「0.05mg/l以下」と設定されています。自分は項目2の大腸菌のように発がん性物質は「検出されないこと」と設定されるべきだと考えているのですが、この1,4-ジオキサンの濃度設定ができる理由を教えていただけないでしょうか??
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No.28954 【A-1】
Re:発がん性物質における水道水質基準について
2008-08-06 17:13:14 こん (ZWl144
一般的なコメントですが。「検出されないこと」といっても、測定法が決まっていますので、実質上は数値規制されているのと同じとおもいます。対象が違うと「検出しない」の方が有害性が低いとは限りません。
環境中には規制されていない発がん成分が自然由来を含めて非常に多くあり、それらによる確率より相当低いのであれば、むしろ、測定法に応じて数値を決めた方が対策しやすいと思います。(多分「発がんが認められない」値よりかなり低く設定してあると思います)
発がん物質を少しでも摂取しないというのは難しいと思います。
ただ化学物質による発がん性というのは、未解明の部分も多いようで、現在の規制が最適とは限りません。安全性を見込んであるとは思いますが。(なお、規制数値が現場状況、技術水準に応じて緩和される場合もありますが)
No.28958 【A-2】
Re:発がん性物質における水道水質基準について
2008-08-06 22:07:56 環境アドバイザーのひかる (ZWl954a
そのような考え方を原理主義といいます。
原理主義者は須く大儀を振りかざして周囲の人たちに大きな迷惑をかけます。
毒性といえば、水や、食塩も毒性があります。貴方の呼吸している大気にも当然毒性があります。
世の中のために、水と食塩をたつと良いでしょう。次いでに呼吸を止めれば、貴方は二度と死ななくなります。(これは真実ですが)
そのように言われて気分がよいですか・・・
確かに毒性に関して、閾値がどの程度になるのか、感受性の違いや、実験した場合の種間の相違によって簡単に判断できない場合も多いですが、科学的な態度とは実績を重んじ、歴史に拘束されるのは仕方がないことなのです。
一部の原理主義者によってDDTの使用が制限されたことにより、多くの国でマラリアの死亡者が増えたことは一つの実例です。
実際には中庸がどこにあるかを判断するのは難しいことですが、貴方の三つの質問からは何かの記事を読んでの思いつきの発言にすぎないと感じます。
少なくともテーゼを思いついたら、すぐに発言するのではなく、ご自分の中でアンチテーゼを調べ、どこに齟齬があるのか程度はなさらないと進歩がありません。
No.28959 【A-3】
Re:発がん性物質における水道水質基準について
2008-08-06 22:24:42 もと (ZWl9f45
http://ja.wikipedia.org/wiki/IARC%E7%99%BA%E3%81%8C%E3%82%93%E6%80%A7%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E4%B8%80%E8%A6%A7
をご確認下さい。ジオキサン (1,4-Dioxane)のIARCのカテゴリーは2B(ヒトに対する発癌性が疑われる)にすぎません。コーヒーと同程度で、カテゴリー1(ヒトに対する発癌性が認められる)に該当するアルコール飲料や太陽光線より発がん性の低い物質です。
No.28960 【A-4】
Re:発がん性物質における水道水質基準について
2008-08-06 23:43:21 ごろり (ZWl6014
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/dl/k14.pdf
◎水道水質基準の設定全般;
「水道水質に関する基準の見直しについて」別紙2 水道水質に関する基準の見直しに関する基本的考え方(生活環境審議会水道部会水質管理専門委員会(平成10年12月))(抜粋)
・ 閾値があると考えられる場合の評価値の算出方法
閾値があると考えられる場合については、当該項目の有害性に関する各種の知見から原則として動物又は人に対して影響を起こさない最大の量(NOAEL(最大無毒性量))を求め、それに基づいて評価値を算出することとする。
・ 閾値がないと考えられる場合の評価値の算出方法
遺伝子障害性物質による発がん性等閾値がないと考えられる場合については、飲料水を経由した当該項目の摂取による生涯を通じたリスク増分が10^(-5)となるリスクレベルを評価値とすることを基本とする。
以上、行政資料を抜き出してみました。
閾値がない以上、完全に安全という値は存在しないのであるレベルで切らざるを得ず(他の方もご指摘のとおり「検出されない」は0ではありません)、それを生涯発ガンリスクの増分が10万分の1となるリスクレベル、と設定しているのだと思います。これが高いとみるか低いとみるかはその人の考え方だと思いますが、人一人の寿命がどのくらい減るかで換算すると0.04日程度だと聞いたことがありますし、私は受容せざるを得ないレベルのリスクだと考えています。(受動喫煙なんて120日のリスクだとか・・・)
また、例えば消毒に伴って生じてしまうトリハロメタンなども発ガン性が指摘されていますが、だからといって消毒を止めてしまったら感染症による死亡リスクが増えるわけで。さらに、リスクレベルを現代科学で可能な限り0に近づけるために浄水処理にはどれだけエネルギーを費やしてもいい、というのも、今度は温暖化とか資源枯渇とか他の問題を招くのではないでしょうか。
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