一般財団法人環境イノベーション情報機構
屋上緑化
登録日: 2003年06月19日 最終回答日:2003年06月24日 環境一般 その他(環境一般)
No.2664 2003-06-19 00:23:38 マツ
屋上緑化の中には、集約型緑化、粗放型緑化があります。これについて様々な意見をお聞きしたいのですが…。
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No.2714 【A-1】
Re:屋上緑化
ドイツ、ハノーバー大学リーゼッケ教授のお話ですね。
日本の屋上緑化は欧米と違い建造物の歴史的推移の特異性もあって、未だ端緒についたばかりです、今都会に観られるのは時間と予算を充分に使った大規模な集約型と言うより、景観鑑賞型の物が最初に在って、最近ようやく都心部では行政指導で粗放型のような物が創られて来ています。
業界では屋上で厳しい日本の四季に対応する人工土壌や植栽植物の開発に躍起ですが、景気の悪さが災いして今は屋上緑化と言えばセダム類が定番となっています。
欧米の屋上緑化理論はそのまま日本の屋上緑化に適応しないと思います。まず国土の60%以上が森林に覆われ降雨量が多く四季がある日本では、緑化=庭園=切り取った自然管理と言う観念が強く屋上緑化=屋上庭園という考え方がクライアント側に強く存在しています。
次に雑草=悪者・駆逐すべき植物と言う観念も強く、日本ではキオソープ(雑草公園)と言う観念は殆ど定着していません。雑草が生えるのは実に自然の営みの重要な発露であり更新の第一歩を観ることが出来て楽しい物ですが、クライアントにとっては「大切な予算を使って何と言う物を創ったのだ!」という事になってしまいます。
屋上緑化の問題点は「何の為に創るのか。」「どんな効果が有るのか。」「行政がどう関与するのか。」「建築物設計時点で屋上緑化のキャパシティー、設備が設定されているか。」「古いビルや木造建造物に対応出来るか。」等この他にも多くの問題を抱えていると思いますが、温暖化防止や都市気候緩和などの効果を過大評価しない事です。
都市の殆どの屋上に人工土壌が存在し、合意形成されて植栽が行なわれてはじめて効果が現れるものだと思います。
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