焼却灰と燃え殻の違いについて
登録日: 2007年06月15日 最終回答日:2007年06月23日 ごみ・リサイクル 産業廃棄物
No.23042 2007-06-15 08:52:47 タカさんさん
私はダイオキシン類の分析に従事しているものです。
ダイオキシン類対策特別措置法に
第二十四条 廃棄物焼却炉である特定施設から排出される当該特定施設の集じん機によって集められたばいじん及び焼却灰その他の燃え殻の処分・・・
とあるように「ばいじん及び焼却灰その他燃え殻」という表現が出て来るのですが、焼却灰と燃え殻がなぜ分かれているのかということに疑問を持ちました。
廃掃法上、焼却灰は廃棄物20品目のなかの燃え殻に分けられ、ほぼ同義であると思うのですが、廃掃法のなかにも、燃え殻と焼却灰の2種類の単語が出て来ます。
ということは2種類の言葉に使い分ける何らかの定義があるのではないかと、考えているのですが、今のところ環境用語集で調べたかぎりでは、焼却灰は廃棄物を焼却炉で燃した際に生じる焼却残渣で、その他燃え殻は廃棄物を燃やしていない場合の焼却残渣で広く適応できるものなのではと考えています。
どなたか分かる方がいらっしゃいましたら、お教え願えないでしょうか。
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No.23053 【A-1】
Re:焼却灰と燃え殻の違いについて
2007-06-16 10:04:22 JK (
焼却灰は燃え殻の一部です。
「その他」と「その他の」の違いを検索してみましょう。
ほかに、「並びに」と「及び」、「若しくは」と「又は」の関係についてなど調べると法令の読み方が分かってきます。
燃えがら・・・・・ 電気事業等の事業活動に伴つて生ずる石炭がら、灰かす、炉清掃排出物等が代表的なものであり、集じん装置に捕捉されたものはダスト類として令第2条第12号に掲げる産業廃棄物として取り扱うものであること。その他熱エネルギー源を物の燃焼に依存している場合の焼却残灰、炉清掃排出物等についても同様の扱いとするものであること。
回答に対するお礼・補足
ご回答ありがとうございます。
「その他」「その他の」について調べた結果ようやく納得いきました。
法律用語ってややこしいですね。
しかし同義なのにもかかわらず、同法内で焼却灰と燃え殻という二つの言葉を使い分けるなんて、少し意地悪な感じがします・・・・。
No.23091 【A-2】
Re:焼却灰と燃え殻の違いについて
2007-06-18 15:11:29 匿名希望 (
燃え殻=産業廃棄物
焼却灰=一般廃棄物(一般廃棄物焼却施設から排出された灰)
No.23097 【A-3】
Re:焼却灰と燃え殻の違いについて
2007-06-18 20:26:06 JK (
法的には、次のようになります。
燃え殻=産業廃棄物である燃え殻+一般廃棄物である燃え殻
焼却灰=一般廃棄物(一般廃棄物焼却施設から排出された灰+有価物を焼却した場合の灰で一般廃棄物となるもの)+産業廃棄物(産業廃棄物焼却施設から排出された灰+有価物を焼却した場合の灰で産業廃棄物となるもの)
回答に対するお礼・補足
回答ありがとうございます。
法解釈はやはり難しいですね。いろいろなウェブページで調べてみると、企業のウェブページではその企業独自の解釈で、焼却灰と燃え殻の区別が載っていたりするのでいろいろと惑わされたりしてしまうんですよね・・・
今回は法を読み解く上でとてもよい勉強になりました。ありがとうございました。
No.23098 【A-4】
Re:焼却灰と燃え殻の違いについて
2007-06-18 21:32:46 シヴィリアン (
これをわかりやすい日本語に変換すると、
「ばいじん」と「燃え殻(例:焼却灰)」
といったところでしょうか。
つまり焼却灰は燃え殻の一部ということです。
(JKさんの記載のとおりです。)
ちなみに、燃焼施設において、
●燃焼した後、集塵機に捉えられたものが「ばいじん」
●燃焼した後、底に溜まっているものが「燃え殻(例:焼却灰)」
と、イメージしてください。
次に、産廃か一廃かの区別ですが、
【産廃に該当するもの】
●産業廃棄物焼却施設から出た「ばいじん」や「燃え殻(例:焼却灰)」
●ボイラー等(事業所に設置)から出た「ばいじん」や「燃え殻(例:焼却灰)」
【一廃に該当するもの】
●一般廃棄物焼却施設から出た「ばいじん」や「燃え殻(例:焼却灰)」
●ボイラー等(事業所以外に設置)から出た「ばいじん」や「燃え殻(例:焼却灰)」
イメージ的にはこんな感じでしょうか。
法解釈を「イメージ」で説明するのは良くないという方が多いと思いますが、私は取っ掛かりとして「イメージ」で考えるのは重要だと思います。(厳密にはJKさんの数式をご参照ください)
タカさんさん、ご理解いただけたでしょうか?
回答に対するお礼・補足
回答ありがとうございました。
ようやくすっきりして来ました。そもそも、焼却灰と燃え殻が別物であるという先入観があったのが、理解から遠ざけていたのかもしれません。
とても分かりやすく説明していただけましてありがとうございます。
No.23210 【A-5】
Re:焼却灰と燃え殻の違いについて
2007-06-22 20:05:09 Dr.ゴミスキー (
【一廃に該当するもの】
●一般廃棄物焼却施設から出た「ばいじん」や「燃え殻(例:焼却灰)」
「業」ですから「産廃」扱いです。
多分、行政所管の施設を連想と察しますが、行政でも「業」です。
No.23217 【A-6】
A−5の記述も誤解を招きます
2007-06-23 00:02:55 万田力 (
No.21076のA−5で、
> ビルピット汚泥は一般廃棄物扱いです。区分は、都市廃棄物扱いです。
といいながら、A−8で
> 都市廃棄物は、下水道処理施設や浄水処理施設などから排出される汚泥等です。
即ち、行政が業として一般廃棄物を処理した結果生じた都市廃棄物である汚泥を「一般廃棄物扱い」と言われたのは、Dr.の解釈では「産業廃棄物」を一般廃棄物として扱っているという意味だったのですね。
しかしながら、一般廃棄物はだれがどのように処理しようと、その結果生じた燃え殻や汚泥は一般廃棄物です。(逆に、産業廃棄物を行政が処理しても、その結果生じた燃え殻や汚泥は一般廃棄物とはならず、あくまでも産業廃棄物です。)
一般廃棄物の処分基準を定めた施行令第3条第3号ハをごらん下さい。
「埋め立てる一般廃棄物(熱しゃく減量15%以下に焼却したものを除く。)の……」
とあり、焼却した後に生じた燃え殻も一般廃棄物という前提で処分基準が記述されています。
また、同条の第2号ホでは
「し尿処理施設に係る汚泥を再生する場合には、環境大臣が定める方法により再生すること。」
とも記載されています。
即ち、これらの記述は一般廃棄物はどんな処理をしようとも、有価物にならない限り一般廃棄物であり、一般廃棄物であるから市町村が処理した後に生じた燃え殻や汚泥であっても「一般廃棄物の処分基準」を適用するということを定めているのです。
No.23227 【A-7】
Re:回答の内容に関して
2007-06-23 12:30:31 レス (
A4からA6回答により混乱されていることと思います。これは回答の説明に過去の経緯がわかっている方でないと不明な内容が含まれておりますので場所だけ明示いたします。
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=21076
内容はご理解いただけなくて結構です。
これは廃棄物一般に云えることなのですが、法と運用に必ずしも整合性がなくとも運用しないと実生活が成立しない特殊な意味がありまして、ある程度雰囲気だけ感じ取ってください。
お前が説明すればと申されたいでしょうが、残念ながらその力はございません。
Dr.ゴミスキー さま 万田力 さま
過去の経緯がわかるものには状況は理解できるのですが、背景説明なしで結論を表示されても門外漢には返って混乱のもとかと存じます。
たしかにA4の説明は乱暴と思いますが、初心者にA5をぶつけて、それに対しA6では全く混乱が起きるだけかと・・・
例示されている法令含めて、周辺通知通達に精通していないと、内容を理解できるようなレベルではないと思うのですが。
分析屋さんで科学一般には通じていても、廃掃法に余り触れない方へもう少し補足説明をしていただけたらと思います。
追加
シヴィリアンさんへ
門外漢にも理解できる補足説明ありがとうございます。
余計な例外を一つ記載させていただきます。
下水道の汚泥は一般的には一般廃棄物なのですが、処理施設から最終的に排出される時に産業廃棄物になります。
数少ない具体的な記載例の一つです。(特殊例だから記載されているのでしょう)
No.23243 【A-8】
Re:焼却灰と燃え殻の違いについて
2007-06-23 19:12:23 シヴィリアン (
まあ、確かに乱暴というか、大雑把な説明なのですが、意図的にそうしています。前にも書いたとおり、初心者の方が法を理解する取っ掛かりとして「イメージ」で説明するのは非常に大切だと思うからです。
乱暴といえば、「不特定多数の匿名質問者に、不特定多数の匿名回答者が答える」というこの掲示板のシステムそのものが乱暴だと思います。しかし、乱暴だからといって無意味だとは思いません。使い方によっては非常に有意義なシステムだと思っています。(だから参加しています)私は上記のスタンスでしか書き込みませんが、私の説明が不十分だと思われる方は、それを補完・修正する書き込みをすればよろしいかと思います。
さて、Dr.ゴミスキーさんの
>●一般廃棄物焼却施設から出た「ばいじん」や「燃え殻(例:焼却灰)」
>「業」ですから「産廃」扱いです。
>多分、行政所管の施設を連想と察しますが、行政でも「業」です。
ですが、
一般廃棄物を処理した場合は「一廃」なのです。行政も「事業所」ですから、例えば、行政が運営する一般廃棄物以外のものを燃焼させる施設(ボイラー等)から排出されるばいじん等は「産廃」となりますが、一般廃棄物を処理する場合は、誰が・どのように処理しても産廃に変わることはありません。(詳しくは万田力さんの説明をご参照ください)
「一廃は最後まで一廃」という言葉は、廃棄物処理法上の「常識」といわれる概念なのですが、条文に明記されているわけではありません。実務を担当していないと勘違いしやすい事例ではありますが(行政担当者ですら勘違いしているケースもあります)、廃棄物処理法は「一廃は最後まで一廃」を前提条件として書かれています。
・・・当初の質問内容とかけ離れてしまいましたが、このように議論が発展するのも、この掲示板の良さではないか思っています。
回答に対するお礼・補足
シヴィリアンさん、またDr.ゴミスキーさん、万田力さん、レスさんまとめてで申し訳ないのですが、ご解答ありがとうございます。
このまま分析技術者(とくにダイオキシン類は分野がせまいので・・・)を続けていたらまったく知りえない知見に触れることができました。これからは、法律の条文などを読み解く機会も増えると考えられるため、とても勉強になりました。ありがとうございます。
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