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環境Q&A

オゾンで油を分解できるの? 

登録日: 2006年07月07日 最終回答日:2006年07月08日 水・土壌環境 水質汚濁

No.17347 2006-07-07 04:07:57 hirosi

 グリストラップなどの排水設備で「汚水にオゾンを吹き込み、油を分解し、排水管のつまりが解消される」と説明して販売しているものを最近見かけます。
 確かにオゾンの酸化力で少しは分解していると思うのですが、詰まりが解消されるのは油を分解したからでなく、オゾンを吹き込むことによって汚水の水温が高くなり油が溶けて流れやすくなっているだけのように思います。そうだとすれば環境にあたえる負荷は変わらないような気がするのですが。ご教授ねがいます。

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No.17351 【A-1】

Re:オゾンで油を分解できるの?

2006-07-07 18:48:18 匿名

 先ずは『油をオゾンで分解できるか』とのことですが,充分出来ます。油だけでなく殆どの有機物はオゾンにより接触時間(溶液中の微細な懸濁物の酸化で、ほぼ数分)と充分な量のオゾンの供給さえあれば最終酸化物まで酸化できます。

 但し、現状のオゾン発生器の能力から考えますとご家庭で使われる油を酸化するだけで小さな変電所が1つ必要なほどのエネルギーが必要です。

 なぜ、浄化能力があるのに多くの場所で使われていないかを考えますと、発生器の設備設置費と前述したように、運転に多くのエネルギーを必要とし、ランニングコストがあまりにも大きいので、有機物の少ない場合の最終仕上げとか、殺菌に使用するなどを除くと、補助的にしか使用されていないのが現状です。

 まあ、現物を見ていないので分からないところも多いですが、まず、『眉につばを付けて見る』必要があると思います。

 家庭用電源で、それほど多量のオゾンを発生できる発生器があるのでしたら、ものすごく興味はありますが?・・・

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。理論的には可能ということですね。ネットで「オゾン 油」で検索するといくつかの排水設備があり、ラーメン屋や飲食店での排水をいとも簡単に処理できるとあったものですから。完全に分解するには相当のエネルギーが必要ということですね。

No.17354 【A-2】

Re:オゾンで油を分解できるの?

2006-07-08 01:33:33 匿名

hiroshiさま

 御紹介のように検索してみました。良く読んでいただけるとごく一部の商品には本音の部分が記入してありました。
 油がたまらないのは『エマルジョン効果』によると。
 貴方のおっしゃるとおり『ただ流す働き』が大きいと思われます。一部加水分解による、脂肪酸とグリセリンに分解されることもあるでしょうが、同時にエアー吹き込みをしていることを考慮すると、機械的攪拌によるエマルジョン効果によると思われます。

 御存知のように、グリーストラップとは阻集器の一種で、本来油を流さないように取り付けるものですから、このような方式のグリーストラップは、ディスポーザー(生ゴミ粉砕機)と同様使用する人が廻りに迷惑をかけて自分だけが楽をするための機械です。
 今のところ法律などでは禁止されていませんので違法な機械とはいえません。金儲けのためとはいえ、このような迷惑まき散らし型の機器を考案し販売することを平然と行える日本の社会はどうなってしまうのかと考えると恐ろしくなります。

 つまり、静かに流して浮き上がった油をとるための場所に、エアーを吹き込んで常に攪拌し、流してしまうから油がたまらないというような装置ですね。

 尚、似たような感じですが、油を分解する酵素を使用する処理装置もありますが、この場合には分解する時間が一日から二日かかりますので、大きさが全く異なります。(滞留時間といい、予定排水量の一日とか二日分の貯留槽を有しています)

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。大部分はエマルジョン効果で油を流しやすくしているだけなのですね。やはりこのような装置をつけずに、グリストラップで地道に油を取り除くことを考えます。大変勉強になりました。

No.17364 【A-3】

Re:オゾンで油を分解できるの?

2006-07-08 07:46:24 papa

空気を原料に油脂を化学量論的に分解できるオゾン供給装置を簡単に市販できるはずはないし、残存オゾン処理なしに使えば大気汚染や健康障害になります。コピー機やレーザープリンターにさえ排気のオゾン除去機能が求められています。残存オゾンの処理がないようならオモチャ次元のオゾン発生装置でしょう。

質問にあるような、問題のある装置は手を変え品を替え昔から販売する人が絶えません。
http://www.gesui.metro.tokyo.jp/osigoto/kisei/171115.htm
界面活性剤を油処理剤として売っているケースもありました。
http://www.gesui.metro.tokyo.jp/oshi/infn0153.htm

汚濁物質が簡単に消滅することはないし、処理を行えば必ず残さが生じることは処理場見学をする小学生でさえ常識です。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。大変参考になりました。買い手もよく勉強する必要がありますね。一度汚れた水は簡単にはきれいにできない「水を汚さない」ことから考えたいと思います。

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