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環境Q&A

全シアンの分析 

登録日: 2006年04月05日 最終回答日:2006年04月30日 水・土壌環境 水質汚濁

No.15964 2006-04-05 11:11:39 みぃ

全シアンの排水の分析について質問です。
前処理として
試料→pH中性→アミド硫酸アンモニウム添加→りん酸添加
→EDTA添加→蒸留をJISどおり行っています。
JISには、試料中に残留塩素などの酸化性物質が
含まれている場合には、L(+)-アスコルビン酸溶液(100g/l)
又は亜ひ酸ナトリウム溶液(100g/l)を加えて還元する。
とありますが、全シアン分析にあたり、
酸化性物質がどのような影響を与えるのでしょうか?
また、残留塩素どれくらいの量に対して
L(+)-アスコルビン酸溶液(100g/l)又は亜ひ酸ナトリウム溶液(100g/l)をどれくらい加えればよいのでしょうか?
ご教授お願いいたします。

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No.15973 【A-1】

Re:全シアンの分析

2006-04-06 17:17:53 似非分析屋

「全シアンの排水の分析」「JISどおり行っています」
という事でしたので、おそらくK-0102を指しているのだろうという認識で書き込ませて頂きます。


>全シアン分析にあたり、酸化性物質がどのような影響を与えるのでしょうか?

これは、みぃさんがごらんになっているJISの「シアン化合物」の備考7をご覧ください。
全シアンのすぐ下に掲載されていて、大まかな説明が為されています。

>また、残留塩素どれくらいの量に対して
>L(+)-アスコルビン酸溶液(100g/l)又は亜ひ酸ナトリウム溶液(100g/l)をどれくらい加えればよいのでしょうか?

酸塩基反応や酸化還元反応等は化学分析をするにあたり必須項目ともいえるものです。
JIS等はこれらは読者にとって既知であるとの仮定で書かれています。
上記処理は還元処理です。電子の移動を行う処理で然程複雑ではありません。
書籍なりWEB上でなり酸化還元の情報はたやすく手に入ります。ご自分で調べて計算なさってみるのも勉強かと思います。

回答に対するお礼・補足

ありがとうございました。
JIS K-0102の全シアン分析の備考7確認しました。
また、残留塩素に対するL(+)-アスコルビン酸溶液(100g/l)の添加量ですが、
計算したところ残留塩素1mgに対し
L(+)-アスコルビン酸溶液(100g/l)0.03mlとなりました。
そこで思ったのは添加するのにどうして溶液にせねばならないのでしょうか?
もしご存知でしたら教えてください。

No.16006 【A-2】

Re:全シアンの分析

2006-04-09 14:07:04 TOS

はじめまして、TOSといいます。

 K0102に限らず、JISの規格本文は、「○○の操作をしなさい」と記載されているのみで、「××の理由により、○○の操作をしなければならない」という書き方になっていません。こうした理由の部分は、似非分析屋さんがおっしゃるように、備考の部分に「おおざっぱに」記載されています。
 これは、「操作を行うものが既に知識を有していると仮定する」だけでなく、「特に専門的な知識を有するものが操作をしなくても、規格に従えば最低限、求める数値を得ることが出来る」ことも考えられているためです。そうでなければ、「規格」の意味がないですものね。

 ですが、みぃさんのように「何故?」と考えることは、とても重要です。こうしたところから、操作内容の理解が深まり、熟練していくと思うからです。

 さて、備考7をお読みになった上で、詳しい化学反応については基礎化学の参考書の「酸化、還元」の項などを参照していただくとして、「具体的にどのくらい還元剤を添加するか」は、ぶっちゃけた話、「みぃさんが取り扱う試料に含まれる残留塩素が消えるまで」です。
 1リットルの試料があるなら、その試料にアスコルビン酸ナトリウム溶液を適量加え、その10ml程度を採ってDPDなどで発色させてみればよいのです。色がつくなら、まだ添加してやらねばなりませんし、色がつかなければ、残留塩素は還元されています。亜硫酸塩と違い、アスコルビン酸ナトリウムは少々過剰に加えてもシアンの測定に影響しません。
 ちなみに、水道水を対象としている上水試験方法では、1リットルの試料に対しアスコルビン酸ナトリウム0.01〜0.02gの添加を目安としています。

回答に対するお礼・補足

TOSさん、ありがとうございました。
これからも常に『なぜ』と考えながらやっていこうと思います。
わからないことがあれば質問すると思いますが、
その時は、またよろしくお願いいたします。

No.16177 【A-3】

Re:全シアンの分析

2006-04-19 22:30:14 似非分析屋

アスコルビン酸を添加するにあたり、この場合は粉末でも溶液でもその効果は変わりません。
操作上の利便性が主な理由と考えていただいて差し支えありません。

回答に対するお礼・補足

ありがとうございました。

No.16330 【A-4】

Re:全シアンの分析

2006-04-30 23:48:56 火鼠の衣

>JISが素人でもできる作業標準との意見には異論があります。JISは、プロがその試験条件たとえば排水試験で10%の誤差要因で確からしい数値を出せる方法と思います。だから、やたら、備考でいろいろな条件や、シュチエーションを提示していると思います。備考が大切な文脈です。アスコルビン酸を粉末のまま加えて悪いか良いかは、対象濃度を考えれば分かるかとおもいますが。いくら還元力が弱いからといって、粉末のまま加えるのは良いとは思えませんが?

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