BODとメタノール・酢酸ソーダについて
登録日: 2006年03月29日 最終回答日:2006年10月04日 水・土壌環境 水質汚濁
No.15850 2006-03-29 11:18:20 もん
し尿処理施設の維持管理をしている者です。
し尿の脱窒素処理の場合にBOD源が不足する場合、
メタノールや酢酸ソーダを使用しますが、
メタノール1gでBOD何gに相当するなどの
計算換算が可能でしょうか?
またそのような文献はあるのでしょうか?
ご教授いただけると幸いです。
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No.15899 【A-1】
Re:BODとメタノール・酢酸ソーダについて
2006-03-31 16:31:21 ピン夫 (
>
>し尿の脱窒素処理の場合にBOD源が不足する場合、
>メタノールや酢酸ソーダを使用しますが、
>メタノール1gでBOD何gに相当するなどの
>計算換算が可能でしょうか?
>
>またそのような文献はあるのでしょうか?
>
>ご教授いただけると幸いです。
回答にならないかも知れませんが、某化学薬品のMSDSでメタノールのBODが370,OOOmg/Lと記載されているのを見たことがあります。メーカー測定値らしいですが。その薬品はメタノール○○%でその薬品のBOD値なのかメタノール100%のBOD値なのかは定かではありません。
回答に対するお礼・補足
ご回答ありがとうございます。
No.15903 【A-2】
Re:BODとメタノール・酢酸ソーダについて
2006-03-31 20:01:55 筑波山麓 (
>
>し尿の脱窒素処理の場合にBOD源が不足する場合、
>メタノールや酢酸ソーダを使用しますが、
>メタノール1gでBOD何gに相当するなどの
>計算換算が可能でしょうか?
>
>またそのような文献はあるのでしょうか?
>
>ご教授いただけると幸いです。
エタノール等の化学製品のCOD(Mn)値は、あるのですが、メチルアルコールのBOD値はみつかりませんでした。
そこで、化学反応から計算してみました。
たとえば、グルコース150mg+グルタミン酸150mgを水1Lに溶解した標準液のBOD値は220±10mg/Lです。この標準物質が完全に分解され酸素と反応したと仮定すると、307mg/L(参考書にはこのように記載されていましたが、私の計算では1割弱ほど高くなりました)となります。BOD5日間では、約70%しか分解されません。
メタノール(CH3OH)を完全に分解するのには、CH3OH=CO2+2H2Oとなり、酸素は4−1=3必要ですから、メタノール1gを完全に分解するに必要な酸素は1/32×3×16=1.5gとなる計算です。BOD5日間はこれの約70%を分解しますから、約1gに相当するとなります。
仮に、1gと置いて、処理をする過程で、もんさんの処理施設の前後で処理のタイムラグを考慮しながら、BODを実測され、処理水量、添加したメタノール量、処理前後のBOD値から、もんさんの施設でのメタノールのBOD値を求められたらどうでしょうか。
回答に対するお礼・補足
ご回答ありがとうございます。
No.15907 【A-3】
Re:BODとメタノール・酢酸ソーダについて
2006-04-01 13:37:11 マッシー・ナナ (
2 CH3OH + 3 O2=2 CO2 +4 H2O
ですので、筑波山麓さんのコメントのようにメタノール:必要酸素は1:1.5です。メタノールの比重は0.79ですので、1Lは790gに相当します。したがって、必要酸素量も790g*1.5です。よって、メタノール1リットルの理論BODは1190000mg/Lとなると思います。ところで、実測は、私も傷んだ不要ワインを捨てる時に、BOD5がどの程度になるか興味があり、メタノールのBOD5を測定したことがあります。植種して340000〜330000mg/Lでした。これを比重0.79で割り戻すと430000〜420000mg/Lとなります。ピン夫さんの「某化学薬品のMSDSでメタノールのBOD5が370,OOOmg/L・・」ですか、某化学薬品さんのほうは単位がグラムかどうかわからないのですが、正しそうな値です。
理論BOD値と実測BOD5とが合いませんが、私は植種液をメタノールで馴らして測定したわけでないので、メタノールを分解する細菌の増殖にタイムラグが生じていると考えれば、5日間BODでは、そんなもんではないでしようか。植種液を馴らせば、BOD5値は高くなるかもしれません。
なお、BOD5はご存知のとおりに有機物汚濁の1指標に過ぎません。
投稿に関係ないのですが⇒ http://www.geocities.jp/vinphony/
回答に対するお礼・補足
ご回答ありがとうございます。
No.15911 【A-4】
Re:BODとメタノール・酢酸ソーダについて
2006-04-02 01:15:00 筑波山麓 (
>
>し尿の脱窒素処理の場合にBOD源が不足する場合、
>メタノールや酢酸ソーダを使用しますが、
>メタノール1gでBOD何gに相当するなどの
>計算換算が可能でしょうか?
>
>またそのような文献はあるのでしょうか?
>
>ご教授いただけると幸いです。
筑波山麓です。マッシー・ナナさんの言われるとおり理論BOD値と実測BODは相違します。
ただし、「もん」さんが問い合わせておられるのは、BOD測定ではなく、し尿処理の維持管理で、脱窒素処理での水素供与体としてメタノールを添加しますが、し尿のBODと窒素のバランス(硝酸性窒素1kg脱膣するのに2.86kgのBODを必要)をとるのに必要とするメタノール量ということだと私は解釈したのですが。「環境Q&A2006-01-23 03:58:28、No.14453」
したがって、マッシー・ナナさんの言われるメタノール量を加えると必要量より(4倍)多いメタノールを加える可能性があり、浄化槽のバランスを崩す可能性があります。したがって、別に装置を作製し、そこで予備実験を行ってからでないとそのようなことはしない方がよろしいのではないでしょうか。
過去に成功した排水処理の経験(活性炭投与量とCOD除去、塩化鉄の投与量と排水の電気伝導度、処理水質など)から、実装置で検討するときは、この場合では、BODを可能性のある範囲内で少し大きく見積もって、ある程度少量のメタノール量を加え、その装置でのメタノールのBOD値を高い確度で算出し、適正なメタノール量を求めるほうがよろしいと考えて回答したのですが、誤解させてしまったようで申し訳ありません。
回答に対するお礼・補足
ご回答ありがとうございます。
No.15912 【A-5】
Re:BODとメタノール・酢酸ソーダについて
2006-04-02 09:28:03 マッシー・ナナ (
>し尿の脱窒素処理の場合にBOD源が不足する場合、
モンさんのご質問の仕方に問題があったようですね。私は最初の質問の出だしの部分をよく読まなかったようです。元来の質問内容は水素供与体についてらしいので、筑波山麓さんのおっしゃるとおりと思います。脱窒を行う際は、出来るだけ施設でのデータを集めて解析して、足りない分だけBOD源を他に求めるのが正解と思います。脱窒細菌の量や能力も運転状況で異なってまいりますが、データさえ整えば、正しい必要量が求められると思います。これからはSAM(活性汚泥モデル)も活用できるようになると思いますので・・
回答に対するお礼・補足
ご回答ありがとうございます。
質問内容の記述が不足だったようで申し訳ありません。
No.15939 【A-6】
Re:BODとメタノール・酢酸ソーダについて
2006-04-04 19:34:54 イニシャル泥 (
回答に対するお礼・補足
皆様、丁寧なご回答、誠にありがとうございました。
質問内容が不明な部分もあり、申し訳ありませんでした。
確かに、実測BOD・理論BODを求めても、汚泥状態や
その他の要因により、メタノールの分解率が変化することを
考えると、目安にしかならないということですね。
管理上は、計算でどうこうするよりもNOxをみながら
添加量を増減させる方法のほうが、有効だと分かりました。
ありがとうございました。
No.18812 【A-7】
Re:BODとメタノール・酢酸ソーダについて
2006-10-04 15:34:35 浄化槽勉強中 (
メタノール1g → BOD 0.77g
酢酸ソーダ1g → BOD 0.27g
>またそのような文献はあるのでしょうか?
水処理工学 −理論と応用−
井出哲夫編著 技報堂出版株式会社
237ページ 表−5.10に各種有機物のBODがでていますので参考にして下さい。
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