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環境Q&A

下水道法の除外施設 

登録日: 2005年11月04日 最終回答日:2005年11月08日 水・土壌環境 水質汚濁

No.13149 2005-11-04 08:31:44 環境くん

下水道法の「除外施設」は下水道法、水質汚濁防止法の「特定施設」とは違うのでしょうか?土壌汚染対策法の調査のきっかけとしてこれらの施設の定義について確認したいと思います。宜しくお願いします、

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No.13213 【A-4】

Re:下水道法の除外施設

2005-11-08 23:00:26 papa

法律的に字句を厳密に定義するとあめんぼうさんのおっしゃるとおりです。
下水排除基準は下水管渠から終末処理場の施設保全と放流水質の確保までを目的とする幅広い見地から定められているものです。したがって下水排除基準は
雨水渠を含む全ての下水道施設についての条例基準
放流水質確保のための全ての利用者に課せられる条例基準
放流水質確保のための特定施設設置者に対する法律直罰基準
放流水質確保のための特定施設設置者に対する条例直罰基準
の4本立てになっています。条例で定める基準があるのは、処理場の施設能力や地域の実情に応じた取り扱いができるようにしたもので、一概に自治体側に尻拭いをさせるとはいえないと思います。(例えば染色業の多い地域には色の基準があったりする)
環境関係の皆さんのご理解では
特定施設→除害施設→除外施設→「下水道にはなんでも流せる」という理解で下水排除基準を誤解されるケースにたくさん遭遇してきました。
複雑な下水排除基準を理解するためには、
「事業所の廃水を下水排除基準以下にする施設を除害施設」と考えていただくのが環境関係の方には適切と考えております。

No.13211 【A-3】

Re:下水道法の除外施設

2005-11-08 22:09:01 papa

>除害施設は水質汚濁防止法、下水道法の特定施設とは違うという理解で宜しいでしょうか?

そのとおりです。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。大変理解が深まりました。

No.13209 【A-2】

Re:下水道法の除外施設

2005-11-08 20:29:18 あめんぼう

>「事業所の廃水を下水排除基準以下にする施設を除害施設」・・これは誤りです。まず、言葉を整理します。

特定施設というのは、水濁法施行令別表第一にずらずらと並んでいる施設のことです。GSにある自動式洗車機だとか、豆腐屋の豆を煮るお釜とかいった汚水や廃液を出す施設です。それを設置している事業場を特定事業場といいます。特定事業場から公共下水道に排水(下水)を排除するとき、下水道法は排除の制限をかけています。その時対象となる下水は、次の2種類です。

ア カドミや鉛といった健康項目を含む下水
イ BODやSSといった生活項目を含む下水(ただしこの場合は、1日当たり50m3以上排除する特定事業場に限ります。)

アとイの下水は、基準値を下回る水質にして下水道に排除しなければなりません。万が一超えてしまったら、刑事罰に処せられることもあります。業界ではこの基準を「直罰基準」と言います。基準値以内にする施設のことを下水道法施行令は「汚水の処理施設」と呼んでいます。後述しますが「除害施設」では決してありません。

さて、直罰に関わらない下水はどうなるのでしょうか?つまり特定事業場ではない事業場や、特定事業場であっても1日当たり50m3以上排除しない事業場からの下水は何でも流していいのか、というとそうは問屋は卸しません。下水処理場も水濁法の特定事業場ですから水濁法で環境項目はもとより、健康項目であってもばっちり監視されています。したがって自らの排水を守るために、直罰を受けない下水に対しても規制をかけることができます。公共下水道管理者が自ら制定する下水道条例に排水規制をもうけるのです。これを下水道法では「除害施設の設置基準」といいます。除害施設の設置基準を超えた下水に対しては、公共下水道管理者は「直罰基準」とは異なり、いきなり警察や検察に告発したりはできません。とりあえず「監督処分」してそれに従わなかったら、従わなかった事実に対して告発を行う、という一段落ちた扱いになります。屁理屈っぽく聞こえると思いますが、「除害施設」と「汚水の処理施設」がそれぞれ扱う下水の扱いは大きく異なるのです。

除害施設という語彙は水濁法にはありませんが、考え方は共通しています。直罰にかからない排水は、都道府県条例で尻ぬぐいするのです。

No.13151 【A-1】

Re:下水道法の除外施設

2005-11-04 21:50:01 papa

>下水道法の「除外施設」
下水道法では「除外施設」ではなく「除害施設」です。

 下水道法の特定施設は水質汚濁防止法の特定施設を準用してますので、実質的には同じと考えてよいでしょう。
 「事業所の廃水を下水排除基準以下にする施設を除害施設」といいます。
 有害物質関係は排除基準が河川放流と同一なので、この場合の除害施設は水質汚濁防止法でいう廃水処理施設と同じです。
 有機性汚濁物質については受け入れ基準が最低でもBOD,SSが600mg/lですから、水質汚濁防止法よりは簡便な施設で済むケースが一般的です。

 下水道法では原則として全ての利用者に水質規制を行うことができます。したがって水質汚濁防止法で規制のない小さな飲食店や診療所などにも、下水排除基準の遵守を求めています。こういった場合では、下水排除基準遵守のために設置される油水分離槽、プラスタートラップなども除害施設として扱われます。

 大変残念なことですが、下水道普及率が50%を超えている現在でも、環境関係の人には特定施設=除外施設(下水排除基準が適用されない)と誤解されている向きもあり、下水道にはなんでも流せるとお考えのモラルハザードの方が、環境保護団体や大学の先生にさえ結構いらっしゃいます。


回答に対するお礼・補足

早速の情報ありがとうございます。理解が深まります。一点最後に確認をさせて頂きたいのですが、ご説明頂いた情報から考えると除害施設は水質汚濁防止法、下水道法の特定施設とは違うという理解で宜しいでしょうか?

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