ドイツ・デポジット制度　連邦参議院が簡素化案を承認　欧州司法裁判所はEU法違反の判決

【ごみ･リサイクル リサイクル】 【掲載日】2005.01.11 【情報源】／2004.12.17 発表

　ドイツ連邦参議院は、12月17日、第3次容器包装廃棄物令改正案を承認した。これは、現状では複雑な仕組みとなっているデポジット制度を簡素化するものである。
　改正令により、ビール、ミネラルウォーター、清涼飲料水に対しては、引き続きデポジットが賦課される。しかし、2005年2月より、デポジット額は、容器の大きさにかかわらず、統一的に25セント（約35円）にする。また、2006年には、アルコポップ（アルコール飲料の一種）やアイスティといった飲料にもデポジットが賦課される。
　一方で、現行法令により、デポジット導入が間近であったジュース、特別な市場背景のある牛乳やワイン、並びに環境に配慮した紙パック入りの飲料は、デポジットが免除される。
　さらに、12ヶ月後には、チェーン店やディスカウント店が導入している独自のデポジットシステム（独自の容器入りの飲料を販売し、容器の回収は自社分のみに限定）は、完全に廃止される。今後、素材ごとの区別は残るものの、デポジット対象飲料を販売しているすべての店で容器を返却できるようになり、ドイツ全体で統一的なデポジット返却システムが構築される。
　なお、欧州司法裁判所は、12月14日、ドイツのデポジット制度は輸入飲料を差別しており、EU法違反だと判示した。欧州司法裁判所は、ミネラル・ウォーターの製造事業者が新しい規制に適応するために十分な時間を与えられなかったと指摘した。これに対し、ドイツ側は、今回、連邦参議院が外国の飲料業者に12ヶ月の過渡期間を設けることを承認したことを強調している。
　改正案は、2005年早々、連邦内閣及び連邦議会で承認される予定である。【ドイツ連邦環境省】