一般財団法人環境イノベーション情報機構
野生鳥獣保護管理検討会報告書まとまる 保護管理新資格制度を提案
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2004.12.27 【情報源】環境省/2004.12.24 発表
平成14年1月に設置された環境省の野生鳥獣保護管理検討会が16年12月24日までに、今後の鳥獣保護・狩猟のあり方についての報告をまとめた。この検討会は、11年の鳥獣保護法改正の際に「3年後の見直し」を求めた附帯決議が衆議院で付されたことなどを踏まえ、鳥獣保護・狩猟制度の基本的枠組みと特定鳥獣保護管理計画、鳥獣被害対策、狩猟制度、鳥獣保護区など個別対応策の方向性を整理するために設置されたもの。「基本施策」、「保護管理」、「狩猟制度」の3分科会を設けて検討を行った。
今回の報告書は、中山間地域の過疎・高齢化で鳥獣による農林業被害増加が見込まれる一方、絶滅のおそれのある鳥獣への適切な保護が求められるとの認識のもと、(1)人材育成など新たな保護実施体制の整備、(2)関係各主体の参画と連携促進、(3)保護管理を踏まえた狩猟の実施、(4)財源確保−−の4点を保護管理の基本的な考え方として示し、このうち人材育成については、行政やNGO、捕獲技術者などを対象にした保護管理資格の創設と有資格者の行政への適正配置の必要性を提案した。
一方、適切な狩猟の実施に向けては(一)捕獲従事者への保護管理知識の理解促進策、(二)被害多発地域での狩猟時の地域個体群維持目的の捕獲頭数制限設定、(三)人への事故防止のためのわなの禁止・制限場所の設定−−などを検討すべきと提言。また保護管理の知識があり、個体数調整が実施可能な人材確保についても、捕獲従事者が狩猟免許に加えた、保護管理の新しい資格を取得することにより対応可能であると指摘した。【環境省】