一般財団法人環境イノベーション情報機構
ダイオキシン類汚染土壌の浄化技術2件について技術評価結果を公表
【環境一般 調査/研究】 【掲載日】2004.10.20 【情報源】環境省/2004.10.20 発表
ダイオキシン類汚染土壌の浄化技術に対する技術評価事業を行っている環境省は、平成15年度に評価対象として採択した2件の技術の評価結果を16年10月20日までにまとめ公表した。今回評価対象となったのは(1)(株)鴻池組と宇部興産(株)による「TPS工法とジオメルト工法を組み合わせたダイオキシン類汚染土壌の無害化処理技術」と、(2)(株)神鋼環境ソリューションによる「還元加熱法と金属ナトリウム分散体法との組み合わせ処理法」。
(1)については、「実証調査初期には、浄化後でも比較的高いダイオキシン類含有濃度が認められ、除去率も88%〜98%であった」ものの、その後土壌加熱温度の適正化や伝熱特性を見直したことにより、「本格運転後には99%以上の分解率を達成」したことが報告され、「処理水準・周辺環境への影響とも要求能力を満たしている」との評価が示された。ただし、「TPS工法の処理温度の設定・管理について、さらに検討を進めることが望ましい」との課題も指摘されている。
なお(2)についても、「500〜600℃、1〜3時間の還元加熱処理により99.9%以上の分解率が実証され、十分な分解である」との評価が示されたが、一方で「大半のダイオキシンの分解は還元加熱工程で生じており、当初のシステム構成として提案されたプロセスガス洗浄油の金属ナトリウム分散体処理の意義については再考を要する」、「今後処理プロセスと経済性の改善を進め、実用性を高めることが望ましい」と課題が指摘されている。【環境省】