一般財団法人環境イノベーション情報機構
農畜水産物中ダイオキシン類濃度について15年度実態調査結果公表
【健康・化学物質 ダイオキシン】 【掲載日】2004.09.30 【情報源】農林水産省/2004.09.29 発表
農林水産省と水産庁は魚介類、畜産物、農作物中に含まれるダイオキシン類について平成15年度実態調査結果をまとめ、16年9月29日に公表した。このうち魚介類中のダイオキシン類濃度の実態把握調査は15年度から19年度までの5か年計画で実施しているもの。
15年度は137種、344検体(魚類223検体、貝類40検体、甲殻類27検体、その他の水産動植物54検体)が調査対象となり、これらの検体のダイオキシン類濃度の単純平均は0.754pg−TEQ/gで、11〜14年度調査の濃度単純平均0.908pg−TEQ/gを下回った。
一方、畜産物と農作物中のダイオキシン類濃度の実態把握調査は、ダイオキシン対策関係閣僚会議が11年にまとめた「ダイオキシン対策推進基本指針」に基づき、毎年度調査を実施し結果を公表することになっている。
15年度は8品目90検体の畜産物(牛乳・乳製品、食肉、鶏卵)と35品目184検体の農作物が調査されたが、その結果、畜産物のダイオキシン濃度の範囲は0.00021〜1.7pg−TEQ/g−湿重量(14年度:0.000009〜0.619pg−TEQ/g−湿重量)、農産物のダイオキシン濃度の範囲は0〜0.47pg−TEQ/g−湿重量(14年度:0〜1.19pg−TEQ/g−湿重量)で、ともに環境省、農水省、厚労省が過去に実施したダイオキシン濃度分析値と同程度とされた。
なお農林水産省と水産庁ではこの結果について、日本人の魚介類、畜産物、農作物中からのダイオキシン類摂取量の総計がダイオキシン類の耐容一日摂取量(TDI)の4割程度であるとの結果が厚生労働省の調査で出ていることと考え合わせ、「問題となる値ではない」との見解を示している。 【農林水産省,水産庁】