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環境ニュース[国内]

UNEP イラク南部湿原の回復プロジェクトをスタート

地球環境 国際環境協力】 【掲載日】2004.08.09 【情報源】/2004.07.23 発表

 7月23日、UNEPより、イラク南部湿原(メソポタミア湿原)の回復と飲料水の供給などを目指す「イラク南部湿原環境管理支援」プロジェクトが発表された。
 同プロジェクトは、国連イラク復興信託基金の枠組みの中で認められたもの。事業規模は1,100万ドル(13億2000万円)に及び、日本政府の支援を受けている。事業は、環境に配慮した技術を活用して、湿地の回復と持続可能な開発を支援する。また、近隣住民に安全な飲み水を供給し、衛生システムを提供する。
 聖書のエデンの園があった場所ではないかとも言われる湿地は、20世紀後半、チグリス・ユーフラテスク川流域にできた新たなダム、旧イラク政府による大規模な排水事業などの影響により、深刻な被害を受けた。2001年には、UNEPが衛星映像を公表し、湿地の90%が失われていると警鐘を鳴らした。2003年に発表された調査結果でも、さらに破壊が進んでいることが報告された。
 今回のプロジェクトでは、近隣の85,000人の住人に安全な飲料水を提供し、衛生システムを完備する。まずは、小規模な浄水システム(おそらくソーラーエネルギーを利用)を12程度の集落に導入する。また、水を浄化するなどの植物も復元する。さらに、インターネットを活用した湿地情報ネットワークの設立、市民への普及啓発、イラクの中央・地方政府職員のトレーニングなども予定されている。事業は、UNEP技術・産業・経済局の国際環境技術センター(日本)が実施する。【UNEP】

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