一般財団法人環境イノベーション情報機構
島根原発2号機 原子炉格納容器内の漏水はボルトの締め付け不足が原因に
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2004.04.16 【情報源】原子力安全・保安院/2004.04.15 発表
中国電力は島根原発2号機原子炉格納容器内の水の発生増加による原子炉停止措置について、原因を対策を示した報告書を16年4月15日付けで保安院に提出した。報告によると、2系統ある原子炉再循環ポンプそれぞれの入口・出口配管と、ポンプに付いた放射性物質を除去するための仮設洗浄設備の継ぎ手部分計4か所のボルトがゆるみ、周辺に漏水やしずくが確認されたという。また、作業要領書ではボルトをトルク管理で締め付けるとしていたが、今回の漏水箇所周辺は作業スペースが狭かったことから、現場の判断でトルクを使わず、合わせ面の隙間を確認しての締め付け作業が行われていた。
中国電力ではこのことから、前回定期検査終了後の復旧作業時に、4か所の継ぎ手部分で本来の作業手順ではない方法でボルトを締め付けたため、締め付け不足がおこり、漏水が発生したと原因を推定。
対策としては、これらの継ぎ目のボルト締め付けを設計どおりトルク管理でチェックすることにし、作業の実施手順を保修管理要領、工事管理仕様書の関連規定に反映させるとした。また現場に対しても、継ぎ手締め付けに関する技術教育を充実するとしている。
なお、報告を受けた原子力安全・保安院も、この報告にある原因と再発防止対策を妥当であると評価している。【原子力安全・保安院】