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環境ニュース[国内]

欧州委員会 「EU持続可能な開発戦略」を提案

地球環境 国際環境協力】 【掲載日】2001.05.24 【情報源】/2001.05.16 発表

 欧州委員会は、「EU持続可能な開発戦略(EU Strategy for sustainable development)」を提案。来月、スウェーデンのイエテボリで開催される理事会での承認を目指す。
 戦略は、以下の3つの部分で構成されている。
 第1は、政策立案に一貫性を持たせ、持続可能な開発を各政策分野の主要課題としていくための横断的な提案。併せて、技術革新を促し、政策立案プロセスに市民や企業の参画を進めていくことも目指す。具体的には、共通農業政策(the Common Agricultural Policy:CAP)、共通漁業政策(the Common Fisheries policy)、共通運輸政策(The Common Transport Policy)といった共通政策のレビューを行う際に、「持続可能な開発」を中心的なテーマに据えていく。
 第2は、リスボン戦略の中で扱われなかった、気候変動、人の健康、自然資源の悪化、交通混雑及び土地利用という、4つの重点課題に関する取り組み。
 第3は、イエテボリ理事会後に戦略の実施、進捗状況を評価する手続きを確定する。毎年、春の理事会で進捗状況を報告することとする。また、このために、いくつかの代表的なパフォーマンス指標を提案する。さらに、10人程度の専門家による、「持続可能な開発円卓会議」を設立、報告を直接、欧州委員会委員長に届ける。2002年からは2年に一回EUの戦略を評価する関係者によるフォーラムを行うこととしている。

 なお、第2部の個別分野における目標、主な対策は以下のとおり。
1)気候変動の抑制、クリーンエネルギーの使用増加
 第1段階として、京都議定書におけるコミットメントを達成。また、温室効果ガスの排出を、2020年までに、1990年レベルより毎年平均1%ずつ削減する。欧州連合は、他の主要な工業先進国に対しても議定書での目標を達成するように求めてゆく。
−2010年までに化石燃料の生産及び消費に対する補助金を段階的廃止
−エネルギー課税への新しい枠組
−CO2の排出取引
−バイオ燃料のような代替燃料ーの促進
−エネルギー効率の改善
2)人の健康保護
 食品安全性の確保。有害化学物質の人体・環境への影響を最小化。
−欧州食品機関(European Food Authority)の設立(2002年)
−共通農業政策における支援の方向性を、「生産量」から、「生産手法及び生産物」に転換
−明解な食品ラベリングを通じた、消費者へ情報提供、意識の向上 等
3)より確実な自然資源の管理
 生物多様性の保護。自然の生息地に対する圧力の削減。経済成長、資源利用、廃棄物の発生という連鎖をこわさなければならない。
生物多様性と資源利用の指標の確立
−地球規模の持続可能性と両立するレベルまでEUの漁船団を削減
−CAP改革の推進
廃棄物削減のための統合的生産政策
−2003年までに環境責任に関する法律を準備
4)運輸システムと土地利用の改善
 委員会は、経済成長が輸送による汚染、過密化の増大を引き起こさないよう提案。田園地域の活性及び都市問題の取組にも注意が払われる。
−異なる輸送方法に対し、正しい料金をつけるための枠組
−公共輸送機関及び鉄道への投資優先
−内陸水路、短距離海路の利用 等
【欧州委員会】

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