一般財団法人環境イノベーション情報機構
14年度河川水辺の国勢調査の結果を公表 外来種ブタクサハムシの急増を確認
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2004.02.20 【情報源】国土交通省/2004.02.13 発表
国土交通省では平成16年2月13日に、14年度に実施した「河川水辺の国勢調査」の結果を公表した。この調査は2年度から実施されているもので、全国の河川と管理ダムでの生物調査、利用実態調査などが主な内容となっている。
今回は計133水系の河川(1級水系109水系、2級水系24水系)と94の管理ダムで生物調査を実施し、日本に生息する種のうち、河川では淡水魚・汽水魚の約58%、鳥類の約43%、植物の35%を、ダム湖では淡水魚・汽水魚の約35%、鳥類の33%、植物の39%の種を確認した。
なおこの中には(1)これまで調査を行ってきたダムの約60%で環境省レッドリストの絶滅危惧1B類(近い将来に絶滅の危険性が高い種)に指定されているクマタカを確認した、(2)兵庫県揖保川で絶滅危惧1A類(ごく近い将来に絶滅の危険性が極めて高い種)に指定されているキセルハゼが確認された、(3)大阪府・兵庫県の猪名川、鳥取県日野川、山口県佐波川で絶滅危惧1類(絶滅の危機に瀕している種)に指定されているシルビアシジミを確認した−−という明るいニュースが含まれている。
しかし一方では、ブルーギルやオオクチバスの河川での確認数が2〜7年度の調査ではそれぞれ39%、54%だったのが、13・14年度調査では66%、74%に増加するなど、多くの外来種の生息域が拡大している傾向がますます顕著になった。特にブタクサ、オオブタクサなどの外来植物を食草とする北アメリカ原産の甲虫ブタクサハムシは、この国勢調査では9年度に多摩川で初めて確認されて以来、急速に生息域を拡大し、13・14年度調査では実に55%の河川で確認されるまでになっている。【国土交通省】